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時代に則した活き活きした県連にしていこう

廣瀬 稔
1999.8

 
   5月の大型連休が終って、今シーズンのスキー計画も一応終りといった所でしょうか。 神奈川県スキー連盟の雪上行事も、加盟各団体の御協力と理事や各部の専門委員の皆さんの献身的な働きによりまして、滞り無く全ての行事を終了いたしました。皆様本当にご苦労様でした。今、県連では評議員会への報告資料の取り纏めや、来シーズンに向けての反省会や計画作りに忙しい日々を送っています。 今シーズンもつくづく感じたことですが、何処のスキー場へ行ってもずいぶん空いているなという印象です。スキー人口が減ったのか、それともスキーをする回数が減ったせいなのでしょうか。日本の景気も一向に良くなりませんし、スキー場がやたらと増えたせいもあるかもしれません。
   
   スキー場は増えても魅力のあるスキー場は少ないし、施設、環境等いろいろな角度から総合的にみて、本当に楽しめるスキー場がなかなか見当たらないという事もあるかもしれません。また、スノーボード人気が高まったことも一因として挙げられるでしょう。とにかく様々な要因が重なり合っているのだと思います。 いずれにせよ何処のスキー場も空いているのは事実です。一スキーヤーとしては混んでいるより空いていてもらった方が良いに決まっていますが、これがスキー連盟という立場から見れば、スキー界の発展という意味で何とかしなければならないはずです。早く原因を探り出し、施策を提言すことが求められますが、それをやるのが日本のスキー界を代表する全日本スキー連盟の役目でしょう。
   
   スキー板の変りようも凄いものがあります。私が見る限り80%〜90%の人達がカーヴィングスキーを使用しているように見えました。滑り方をみても、殆どが姿勢を低くし膝と上体をかなり内側に倒しハイスピードで大回りをしている人達が多く見受けられ、形だけはカーヴィングターンですが何処か違うのではないかと思いました。何にしろスキー場では激しい衝突事故を何回か目撃しているので、ちょっと気をつける必要があります。 これもSAJが主催する研修会の内容に不充分な点があるのか、受け取る側がカーヴィングスキーのスキー技術を正しく理解していないかなのでしょう。折角SAJ監修の教程、教本の副読本「カーヴィングスキーのスキー指導」という指導書があって、解りやすく、とても良く書かれているのですから皆良く読んだほうが良いでしょう。
   
   指導員研修会も人数が多すぎて機能しなくなってきているし本来の意義が失われてきていると思います。それでも相変わらず同じような方法で行われ,常に上意下達の官僚的な感じがして仕方がありません。 とは言っても悲しいかな私達日本人は御上の云うことに弱く横並び意識が強いものですから,せっせとハンコウを貰いに馳せ参じることになりますし,毎年御上から何かテーマを頂かないと落ち着かないと言う悪い癖があるのもいけないのです。 今年も指導員や準指導員が沢山合格し輩出されました。準指導員検定では、当県連はまともな方だと思いますが、他の連盟の中には50%を超える合格率の所があったという噂も聞いています。教わろうとする人達が少なくなって行く一方で指導者の数がどんどん増え続けるというアンバランスな構造が出来上がり、指導員制度そのものがおかしくなってしまうのではないかと心配してしまいます。
   
   でも、見方を変えれば指導員資格というものの本来の意義から外れても、それがスキー技術レベルを示す段階の最高位プラス先生というお墨付きと考えれば納得できるでしょう。人間誰しも、ある特権階級に憧れその仲間入りすることに特別な感情を持つものですから。 ただ、一言真面目に言わしてもらえるなら、スキー連盟という組織は非常に良く出来た組織だと思うし、指導員制度とその運用も大変大きな役割を担ってきたと思っています。しかし、幾らハード、ソフトが良くても、それを司る価値観や行動基準が変わらなければ新しい発展はないのではないでしょうか。 兎も角、当県連だけでもこれからの時代に則した活き活きした県連になるよう願うと共に皆で協力してそうしたいと思っています。
 
 
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