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「楽しい研修会」って?
車山T行事レポート 広報委員 大井智子
●早朝ミーティングは大きな円陣で

車山高原、晴れ。
 神奈川県スキー連盟(SAK)役員と講師の朝は早い。午前6時半、本部「スカイパークホテル」のロビーに役員と講師が集まり始めた。ジャージ姿のメンバーは約40人。円陣を組み、そのままミーティングが始まった。2002年度初めての雪上行事、「車山行事・」のスタートだ。 ミーティングでは班構成と講師の確認が行われた。昨年導入された「エンジョイ」「チャレンジ」の班分け方式は好評で、今回のクリニック班にも導入されている。クリニック、研修会とも17班構成、ほかに他県連班が2班。これを38人の講師が担当する。研修会に出続けていれば、いつかほとんどの講師と顔見知りになった十数年前に比べれば、まことに大所帯である。

 ミーティングでは、「受講生とは一方通行ではなく意見交換をしてほしい。『研修会は楽しくない』という意見も、過去にはあった。講習会ではないので、楽しく研修を進めてもらいたい」との話が、渡辺三郎教育本部専門委員からあった。 そうか。「楽しい研修会」か。確か11月17日の「指導員研修会・理論」でも、同じような話があった。「昔はひたすら『技術の向上』を追求していたが、いまは『心の豊かさ』を求める時代。十人十色のスキーヤーに答える幅の広い指導者として、スキーの楽しさを伝えてほしい」と。
 ミーティングからバイキング形式の朝食へ。同じテーブルに、昔、準指導員受験でお世話になった倉金郁夫講師をみつけた。4年前に、10年振りのSAK講師に復帰したという。「昔に比べて講師の人が増えましたね」と感想を漏らす。
 これを受けて、隣の佐伯英雄講師が「SAKの登録者も、毎年増えているからね。だいたい年に100人増えて20人減る。昔は研修会に出なければ情報を得られなかったが、いまはビデオや雑誌などいろいろな情報があふれている」と話す。
 朝食が済むと、あっという間にホテルから、役員、講師の姿が消えた。ゲレンデ内の「スカイプラザ」で開会式の準備に当たるためだ。まずい。いそがないと、おいていかれる。

●都会のスキー連盟としてできること

 小林幹夫SAK副会長の挨拶を皮切りに、「スカイプラザ」での開会式は午前9時30分に始まった。続いて、山田隆専務理事の話。ポイントは、「カービングでもスキッディングでも何かをやるには技術力がいる」「都会のスキー連盟として『スキーは楽しい』と教えることが最も重要」の2点。「道具は何でもいい。雪の上で楽しめればいい。カービングでもノーマルの板でも、技術力さえあればカービングはできる。膝を左右に振り分けてエッジを切り換えることがカービングだと誤解すると膝を痛める。スキーは弧を描くことが大切だ」と山田氏は話し、「都会のスキーヤーにできる最大の課題は『スキーは楽しい』と広めること。そのために、各クラブでの講習会が、楽しくないものにならないようにしてほしい」と続けた。
 次に、車山の研修会では必ずお世話になる「信州綜合開発」の、新旧社長交替の報告が行われた。山崎前社長には、SAKを代表して、片岡春男顧問と大澤佑吉指導員会会長から感謝状と記念品が贈られた。
 山崎前社長の話は、次のように印象的なものだった。「車山は、昔は無名の岩だらけの山だった。米国の人工造雪機を導入し、神奈川県スキー連盟との縁あって、二十数年間にわたり毎年いろいろな行事をしてもらった。長野県下では初の、2人乗り『ロマンスリフト』の初運転では、片岡先生と女性インストラクターに乗ってもらった。クワッドリフトの初乗りも神奈川県の先生。スキー場オープンは神奈川の研修で、クローズの日は神奈川のフェスティバルで。神奈川で始まり神奈川で終わるのが、このスキー場の長い歴史だった。名もない山をつくってもらったと思っている。ご縁は忘れない。感無量である」。

 さらに、片忠夫常務理事から「けさ、さっそく5本滑ってみたが、バーンの状態は最高。けがのないように」と話があり、続けて2名のSAK広報委員を紹介。ありがとうございました。これでぐっと、取材しやすくなりました。ところが、片常務理事は「SAKのホームページはすぐれていて、行事があればその翌々日にはホームページに載ってしまうぐらいです」と続けた。たいへんだーっ。(今日はもう、翌々々々……日だ。)

●「研修チャレンジ2班、取材オッケーです」
 ついに研修会が始まった。リフト乗り場の混雑をやり過ごそうと、われわれ2名の広報委員はさっそく「スカイシティ」で打ち合わせ。スキーウエアの上には、SAKが支給してくれた広報委員専用のグレーのベストを着込んでいる。背中に「PRESS」の黄色い文字が光る。
 打ち合わせの結果、取材テーマは「楽しい研修会」に絞ることにした。今回参加した38人の講師のうち、最も新人は2年目の講師の9人だ。いわばSAK講師の卵である。今回は、彼らの試みのなかで「楽しくスキー指導を進める」ヒントを探してみよう、と考えた。太陽はまぶしく天候は良好。

 オープンしているゲレンデは「スカイシティ」前の1コース。ここに700人近い指導員がひしめくことになる。限られた条件の中で「楽しい研修会」を演出するには何が必要なのか……。 「研修会チャレンジ2班、取材オッケーっすよっ」。開会式のすぐあと、そう叫んでかたわらを走り抜けていった、長久保巌講師の班をまずは訪れた。プルークの初級、中級、上級の3パターンを研修しているところで、「内足動作がキーになります」と長久保講師。シュテムターンでは、「すっげえ、下手になったように滑って下さい」と明るく指示を飛ばす。
 私もと思い、メモ帳とペンをベストの万能ポケットにしまい、するするとプルークで下りていくと、固くクラストした雪面に内足をとられ転倒した。痛い。かなりのアイスバーンにももを打った。「クラストしてるから、はねないとね」と優しく声を掛けて下さった班員の方々、ありがとうございました。余裕でこれを眺めていた川添委員も、その直後、ハデに転倒した。現在、10×10cmに成長した青あざを見るたび、広報委員にも研修会が必要だと痛感する。
 さて、長久保講師の方は、ことあるごとに班員に語りかけている。「こんな難しいスキー用語を、自分のクラブの講習会で使ったことのある人」「本当に自分はカービングターンができると思う人」と、班員に挙手を求めて問いかける。かと思えば「生徒にカービングを教える時、バリエーションの『チャールストン』をやって、その体軸を参考にするといいですよ」と実演してみせる。「今日の日のために去年から練習してました」とおどけて、一同をなごませた。


●「研修会は楽しいですか?」
 この班の年齢層は、ほぼ40代後半。班員の感想を聞いてみた。
 「シーズン初めなのでスキーの感覚をつかむのでせいいっぱい。研修はわかりやすい。去年より内容にボリュームがある」「盛り沢山であっという間に午前の研修が終わった。クラブで教える機会はなく、自分がうまくなりたくて参加した。ふだん考えないことを教わり、新しい発見があった」「いつも通り。斜面状況がよければ、本当はもっとバンバン滑りたい。講師側の努力はすごくうかがえる」「おととしまでは五竜の研修会に参加していた。車山は近いしクラブの忘年会も兼ねているので、最近は車山ばかり」。
 なかには、骨太の意見もあった。「自分には、『この研修会で楽しく滑ろう』という目的はない。いつも思うが、年齢ごとの班構成はつまらない。五竜の研修会では『この急斜面は(あぶないから)やめましょうか』となる。若い班に入って滑る自信はある。その点『チャレンジ』『エンジョイ』班の導入は評価できる。突っ立って、講習をただ聞いて帰るよりいい。クラブに帰って教える時に、研修会で教わったものをそのまま伝えることは少ない。講習は、個人の技術や個性などの裏付けでやるしかない。研修会では、その心構えを教わろうと思っている」。
 同じスキー指導員として、講師側の立場に理解を示す意見もあった。「『楽しい研修会』は、口で言うほど簡単じゃない。SAKのブロック技術員は、クラブの先生たちを相手にしている。中には年上の人もいるだろう。そうした中で、『楽しく、楽しく』と音頭をとっても難しい。自分のクラブは、スキー指導で個性を発揮できる場だと思うが、いろいろなクラブの人が集まる研修会では、個性の発揮は難しい」。
 どの先生の意見ももっともで、たいへん参考になった。「楽しさ」は、個人によって受け止め方が違う。そこを束ねるマニュアルは存在しない。一回一回が勝負なのだろう。

●SAK新人講師たちの心とは?
 「スカイプラザ」で遅い昼食に突入した。そこで、やはり講師としては2年目となる、竹腰誠講師の班員に感想を聞く機会を得た。研修会エンジョイ7班だ。「最初から、正指導員のプルーク3態をやってくれ、去年と違う今年の考え方を明確にしてくれた。細かく指導してくれる。言葉は長いわけでもなく、わかりやすい。先生は、『何かあったら言って下さい。お互い意見を出し合っていきましょう。リフトに乗っている時も、自分を活用して下さい』と言う。自分は障害者スキーに携わっていて、その点も聞けた」(30代、女性)。
 2年目の講師の先生方の奮闘ぶりが、うかがえる。
 いろいろな人の話をうろうろしながら聞いているうちに、研修会に参加するわがクラブのメンバーは、一人ずつ昼食を終えてテーブルから去っていってしまった。寂しい。最後は大きなテーブルに一人残された。もぐもぐピラフのご飯をほうばっていると背後から、「いい取材できましたか?」と元気で明るい声がとんだ。長久保講師だ。ご飯を飲み込んでから、話を聞くことにした。
 「去年、初めて研修会の講師を体験し、2年目となる今年はどんなことを考えて、研修会の講師に臨まれたのですか」とたずねた。すると、次のような答えが返ってきた。「気負いはない。去年までは『この種目はこういう理解を』という伝達がメーンで、テーマは画一的だった。今年は、各個人を上手くして、結果として楽しいスキーに導こうと思っている。ガチガチと、どれをやろうということなく、個人的なアドバイスを優先している」。 「『楽しい研修会』に対してはどんな努力を?」と聞くと、「どの技術レベルの人も最終目的は一緒。自分が上手くなったと感じることが、楽しいと思うはず。今日の1日で、ちょっとでも新しいことに気づいてもらえたら。そこに着眼点を置いている。去年も同じポリシーだ」と明確に答えてくれた。

●班員が、「しーん」となった
 隣には、やはりSAK講師2年目となる、古川義尚講師が座っている。研修会のエンジョイ6班を担当している。彼にも同じ質問をぶつけてみた。すると、「去年の研修会は緊張して、何が何だかわからないまま。あっと言う間のシーズンでした」と、新人ならではのういういしい答えが返ってきた。
 「1年前までは研修を受ける側にいたのに、年が変わったとたん逆に教える側になった。去年は、車山研修会でのデビューを皮切りに勉強することの方が多かった。プレゼンテーションする立場になって、改めて、自分の若さや話術のなさを感じた」(古川講師)。
 「今年はどんなことを考えて、研修会に臨んだのですか?」とたずねると、「僕たちは同期が多いけど、去年はみな余裕がなくてコミュニケーションがとれなかった。1シーズン終わって余裕が生まれ、いまは同期でいい雰囲気になっている」と話し、「今年は肩ひじはらず、ふだん通りでいくつもり。今日の天気を見て、受講者の顔を見て。斜面が限られるので、技術志向に頼らずに、みんなの意見を引き出したい。一方通行ではなく、キャッチボールできるように試みている」と意気込みを語る。
 「班員の反応はどうでした?」と続けて聞くと、「例えば、『ずらしを使ったターンがありますよね。十人十色の受け止め方があると思います。私はこうやってますが、みなさんどうですか?』と聞いたら、しーんとなった。さらに『どうでしょう、どうでしょう』と聞くと、みんな引いてく。『そうじゃねーよ』って思ってるのかなあと思って、『では、とっとと終わらせましょうね』と、自分で突っ込んだ。一人で空回りしちゃった」と正直に教えてくれた。 さらに続く古川講師のセリフに、「じーん」ときた。「『なに言ってるかわからない』と言われたら、答えられるようにいつも準備している。それに答えるために、われわれのいる意義がある。現場でディスカッションしないと、新しい発見は出てこない」。
 午後はさっそく、その古川班に紛れ込んだ。班の年代構成は30代後半だ。ペアリフトに同乗したある班員の男性は、「午前中に古川先生が『質問ある方』と聞いて、初めはなかなか発言が出なかったけど、何人かの人が質問した。そんなやりとりがあまりなかった以前の研修と比べると、変わったなと思う」と言う。
 それからしばらくして、古川講師が「僕の話をさえぎるぐらい、明日は質問が出てくることを期待してます」と締めて、午後の研修は終わった。解散後、すかさず女性班員に感想を聞いた。
 「エンジョイ班の趣旨が理解されていてよかった。資格を持っていても、シーズンに初めて雪上に立つのは不安。『今シーズンは大丈夫かしら?」と思う時、おだやかなものごしの先生で気分がほぐれた。ポジションの確認をしつつ研修を進める持っていきかたはうまかった。個人のキャラクターで、ボケの入った話し方もよかった。ゲレンデは混雑してたが、上手にグループをかきわけながら『きて下さい』とコースを選んでくれた。エンジョイ班で、6班の年齢構成としては適任に思う」と評判がいい。
 もう一人、女性。「とても楽だった。初滑りで緊張してるし、バーンも硬い。『質問して下さい』と言ってたが、あしたはもっと、質問が出ると思う」とニコニコ話してくれた。

●夜の宴会はエンドレスに……
 夕食開始は、午後6時。座敷でしゃぶしゃぶだ。女性の講師は次週の北海道行事に参加するので、今回は女性は広報委員の私だけ。「どんな男社会が展開するのだろう……」と多少の恐れを抱きつつ、夕食会場へと急いだ。心細そうにしてたせいか、準指受験のころから顔なじみの村山政幸講師が「ここあいてるよ」と手招きしてくれた。だが、タッチの差で席は埋まった。最終的に、役員ばかりのテーブルに座を得て、緊張はいよいよ高まる。
 ボッと鍋に火が付く。隣のテーブルで、菊地勇二講師が鍋に具を入れている。その順番を慎重に盗み見しつつ、白菜や豆腐やねぎを順番に鍋に入れる。肉は、隣の原田実講師が入れてくれる。アクは、はす向かいの片忠夫常務理事が取ってくれる。みなみなとても優しい。「緊張すんな」と言われつつ、主に山田隆専務理事からバンバン飛んで来る突っ込みを、むきになってかわすうち、すっかり心がくつろいでいった。
 ビールを勧められ、「最近、仕事のストレスで胃が痛くてお酒が飲めないもんで……」と話すと、「胃かいようを直す」さまざまな解決策があちこちから伝授された。小林幹夫副会長は「ナマコを刺身にして、大根おろしと食べると一発で治る」。片常務理事は「ブロッコリーが効くぞ」。なんでもテレビの「あるある大辞典」でやっていたらしい。越前谷芳隆事務局長は「ピロリ菌をはがすハチミツ」をなめるといいと教えてくれた。ありがとうございました。現在、とりあえず身近な「ブロッコリー」から実践中している。
 ふと気が付くと、テーブルには半数ほどの人しか着席していない。おそるべき熱気。残り半数の人々は、会場中をぐるぐる回って、あらゆる人々と大きな声で楽しそうに話している。いつしか、片岡春男顧問も訪れて、みなと大いに盛り上がっている。
 室温は、真夏のようにぐんぐん上昇した。しまった。夕方ぎりぎりまで滑っていたから、ヨットパーカーの下には防寒性の高いスキーのアンダーウエアを着たままだ。汗が止まらない。そのうちに、人の背丈ほどの大きさの巨大な扇風機が運ばれてきた。熱気をかき回し始めると、「うおーっ」「あせくせー」などの楽しそうな叫び声があがる。いいなあ。
一緒にそこにいるだけで、楽しくなる。長年、自分がSAKにへばりついている理由はこうした空気にあるのだなと、しみじみ思った。 夕食は7時半に終了した。ここから夜はエンドレスに続く。車山高原のいくつかの宿舎では、各協会ごとに大懇親宴会が行われるのが恒例だ。確かに、車山研修に参加する理由について、「ここでクラブの忘年会がある」「クラブが所属する市の協会の宴会があるから」と話す人たちは多かった。
 午後8時。ホテルが運行してくれる特設バスで、さっそく会場のひとつゲレンデの「スカイプラザ」に向かった。ゲレンデでは、人工降雪機からまかれる人工雪が、夜空を彩る。幻想的な風景だ。プラザの入り口には「横浜市スキー協会」という青地に白抜きの新品の横断幕がかかっている。
 各テーブルごとにマイクがまわり、所属クラブの自己紹介が行われ、1時間半ほどの会は和やかに進んだ。正面の裏方には、おそらく神奈川から運搬してきたとおぼしき、本格的なビールと焼酎のピッチャーが置かれ、若手役員メンバーによって、次々とお酒がつがれていた。
シーズン初めの研修会となる車山行事は、各協会が集まって親交を深める場としても大きな役割を果たしているようだ。
 それから、私はホテルに戻り、露天風呂でじっくりくつろいだ。遠くの黒い雲に反射して、オレンジの光が見える。白樺湖方面のスキー場で人工降雪機を降らす作業をしているのだろう。その後、車山高原のあちこちの宿では、明け方近くまで宴会が続いたと聞く。


●神奈川の研修会は「アットホーム」
 ついに研修2日目だ。天気は曇り。小雪がパラつきとても寒い。昨日の夕食で、岡田良平講師が「他県連班にも、きてみてください」と話してくれた。さっそく、他県連班を訪れよう。他県連からの参加者は、計36人。まずは岡田講師に「他県連ということで、気をつけていることは」と聞くと、「神奈川県班でも他県連班でも、気持ちは一緒です」と即座に答えが返ってきた。「以前は1班構成だったが最近は2班構成で、他県連からの参加者は増えている。2年に1度、続けて神奈川の研修会に参加している人もいるようだ」(岡田講師)。
 今回が2回目という男性は、「班の雰囲気はギスギスせず、アットホームでよかった。宿に帰ってからも時間に余裕があってうれしい。リフトが1本しか動いていないので、すべての班が雪上に出たとしたら、もっとゲレンデは混んだはず。『スカイプラザ』でのビデオ研修は、臨機応変の対応だ。ホームページはありがたい。事前に自分の班がどこかを確認できて、とてもよかった」と話す。
 神奈川の研修は、今回でそれぞれ2回目と5回目という、40代男性と30代女性にも感想を聞いた。「スキーは感覚の部分が大きいスポーツ。例えば、1級から5級までの緩斜面種目の滑りをブロック技術員が滑りわけ、それをブロック技術員が細かく解説するという『目合わせ』をやってほしかった。ビデオでデモが上手に滑るのを見るのとは全然違って、クラブに帰って検定会を実施するのに一番役立つ。また、神奈川はホームページがちゃんとあってうらやましい。いつも見ている。前もって、自分の所属する班が確認できるので、受け付け時に繁雑さがなくてよかった。
家が神奈川県なのでまた参加する」(男性)。 注:今回クリニック班では、1級の「中回りから小回り」、2級の「小回りから中回り」、3級の「シュテム」に関して、班員が課題を与えられて滑り、それを下で講師が採点するという目あわせを実施しました。ありがちなミスを演じる班員に、下で見る側は「うまいうまい」と大喝采で、たいへん好評だったようです)。
 「班の人数は10人前後ともっと少ない方がいい。自分の所属する自治体のスキー連盟の研修は厳しく、『そんなのでは先生はできない』と怒られたりする。ガンガン滑っている人と一緒だと、苦痛を感じることもある。神奈川の研修はフレンドリーだ。理論研修もお子さん連れの人がいたりして、それを許容するおだやかさがあった」(女性)。
 他県連の参加者の声からは、SAKの研修会は他県連に比べてかなりアットホームな雰囲気に包まれている、という事実が浮き彫りになった。これが普通と思っていた自分にとっては驚きだった。それから、ホームページはたいへん好評のようである。

●研修会テーマは「楽しく」
 

午前11時30分。いよいよ閉会式の時間だ。雪は舞い、とても寒い。そこへの配慮からか、各関係者の挨拶はびっくりするぐらい短い。レポートの最後に、閉会式での山田専務理事の言葉をそのまま載せておこう。
 「研修会のテーマはご理解いただけましたでしょうか。『楽しければいい』ということなので、よろしくお願いいたします」。

                   *    *    *

 

<車山行事の参加者数>
研修会・エンジョイ
163人
研修会・チャレンジ
170人
クリニック・エンジョイ
138人
クリニック・チャレンジ
178人
他県連
36人
合計
685人
 研修会に参加した皆さんには、寒い中、雪の上での取材に答えてくださり、ありがとうございました。ほかにも、以下のようないろいろな意見をいただいたので、ここに記しておきます。

●ほかにも取材に答えていただきました
取材中の大井智子さん

「研修会をギスギスやったり、型にはめるのではなく、意見を出し合って進めていくようにしている。『今年のテーマはこうですが、みなさんどうです?』とたずねたり、疑問を解消して各クラブに伝えてもらったり。それが本来の研修。景気が悪くてスキー離れが進んでいる。楽しい講習をしなければ、スキー場に人はこない」(及川城司講師)。

 「今回で6期目、11年になる。研修会に対する姿勢は以前から変わっていない。質問できる機会をつくり、『どう思う?』と問いかける。シーズン初めの研修会では、情報の欲しい人もいる。本やビデオで得られる情報ではなく、違う観点の部分を伝えたい。自分が一番大切にしているのは、形から入るのではなく、ターンの大きさをリズムでとらえる
ことだ」(大渕泰蔵講師)。

 「『やさしさ』をテーマに、研修してもらった。指導するに当たって、みんなを楽しませ、バラエティーに富んだ講習をするにはどうしたらいいか。うちは1班で、クラブの会長や役職についている人が多い。そうした中で、『“おもしろさ”を、若いクラブの指導者に伝えて下さい』と、講師の先生は一生懸命、研修してくれた」(70代、男性)。

 「何年がぶりに、準指時代に世話になった先生の班に入った。班員に顔なじみもいて、『いいなあ』と思った。いまは講習は、楽しくないとだめ。技術があるのは当たり前で、先生一人ひとりのキャラクターが問われる。滑れもしないやつに『早くこっち来い』といっても無理。『努力、根性、我慢』の指導の時代は終わった」(40代、男性)。

 「今回は実になった。毎年、車山にきているけど、参加しても無駄と思われることがあった」(50代、男性)。

 「ゴチャゴチャとスタート時の説明が長い。それより、本数多く滑りたかった」(60代、男性)。

 「コースが限られるコンディションは仕方がない。日程的に車山しか来れないので、テーマを決めて滑っている。ゲレンデが限られるのに人数が多く、一般の人に、もうしわけなかった」(30代後半、男性)。

 「雪が少なくて残念。滑る機会があまりないので、エンジョイ班にした。班は同じ年代層で、それなりに楽しかった。ホームページはIモードで見ている」(30代前半、男性)


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