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スノーパラダイス in北海道 朝里川
大井智子広報委員レポート
上田英之専門委員レポート
大井智子広報委員レポート

ホテル窓から

最終バスチーフの小浅専門委員

12月14日(土)は公式行事の最終日。Aコースで参加するわたしにとっては3日目だ。だんだん早起きにも慣れてきた。
 今朝は,5時30分に起きた。京王プラザホテル「1325」室の大きな窓からは,雪で埋もれた札幌の街が見える。景色の奥では,街をぐるりと山並みが囲む。眼下の緑は,北海道大学の構内だろうか。線路の上では,東京の「JR山手線」によく似た銀の車体に黄緑のラインが走った電車が「休んでいる」。そのうち「ポォーッ」という汽笛が響いた。一番電車が走る合図だろうか。
 
「日本の高齢化社会をうれう」
 今日はツアー参加者全員が「朝里川温泉スキー場」に向かう。朝里の街に近づくと,バスの窓から海が見えた。快晴だ。バスの中では,「銭湯」について語り合う人たちの控えめな声が聞こえてきた。「銭湯でのコミュニケーション」というテーマは,「日本の高齢化社会」へと発展した。Aさんが「これから日本は老老介護の時代に入りますな。日本の国は高齢化社会ですらから。カンボジアは20歳以上が人口の半分。ポルポト派の時代に大人たちが粛清されて,子どもばかりですよ」と話すと,Bさんが「戦後の,僕らの子ども時代は子どもばっかりだったもんねえ」と受ける。ほとんど就寝中の車内で,その話を聞いているのか,前の席でニコニコしている女の人がいた。

「パーティでお友だちができた」
 バス駐車場から,坂道を登ってセンターハウスへ向かう。
 ゲレンデは,「レッド」「イエロー」「ブルー」「オレンジ」「グリーン」「パープル」と色の名前がついている。最大傾斜は14度から36度まで。アットホームなスキー場だ。かつて準指養成講習会や指導員研修会で,なんどもこのスキー場にはお世話になった。大雪のあと新雪に飛び込んだわが「山田班」で,班員の男性が板を外してみんなで一時間近く捜索したのも,いまではいい想い出だ。
 さっそく各班に分かれての研修会,講習会が始まる。今日は,検定会もあって盛りだくさんだ。レッドコースに向かうペアリフトの上で,川崎市から来ましたという,50代の女性の参加者と同席。「きのうのパーティは楽しまれました?」と聞いてみた。
 「楽しかったです。司会者の栗田さんの『トナカイ』の装束もよかった。いろんな商品を,ゲームしながらもらうので,子どものように盛り上がっていました。『2月生まれ』の人同士のじゃんけんゲームでは,負けたけど,テニスウエアをもらいました。勝ったらスキーウエアだったけど。パーティでは同じテーブルの人と知り合あって,『今度いっしょに蔵王に行こうね』と約束しました。部屋番号を教えあい,住所を交換しました」。
 彼女は準指を受験する。養成講習会1班で,講師は町田基宏専門委員。「わかりやすくていいです。チェックする項目をやってくれたので,『よかった』『わるかった』という自分の滑りがきちっとわかる。スキーの「ノート」に,夜はホテルで講習内容を書いてます」。えらい。きっと合格します! わたしも学生時代のスキークラブでノートをつくらされた。そのくせで,いまだにスキー場にノートを持っていく。

堀理事 講習風景

井駒監事 県民講習風景

「先生はいつ寝てる?」
彼女に,「役員の対応はどうですか?」と聞くと,「よくやってくださっています。バスの板の出し入れもやってくださる。バスの中での対応も,きちっとされている。先生たちは,いつ寝てるのかしらと思います」と,うれしい答えが返ってきた。バスがスキー場の駐車場やホテルに着くと,まず役員は一番に降りて,スキー板をもくもくと下ろし始める。参加者の何人かの男性も手伝ってくださったりした。ちゃんと見ててくれたんだなあ,と思った。
毎晩行われる23時30分のミーティングでは,「大切なのは,お客さんに喜んでもらえる講習会を行えているかどうかだ。生徒の顔色をしっかり見ながら,いかにいい講習会をするかを考えてやってほしい」(山田隆専務理事),「高い金額を払って参加されてるお客さんがすべて優先する。あいさつ,バスへのスキー板の入れ下ろし,講習会など気をつかってやってほしい。サービスをこころがけて」(上田英之理事)ということが,徹底して言われていた。
 ほかにも何人かの人に感想を聞いた。「毎年,北海道に来る。シーズン初めに滑り込みたいので,研修会はここだけ。パーティ参加費は500円ほど値上がったかな。内容はそれほど変わらないと感じるが,主催者側がいっしょうけんめいがんばってる,というのは感じる。パーティでは,たまにしか会わない人とのおしゃべりについ夢中になる」(相模原から研修会に参加した40代男性)。
 研修会に参加した別の40代の男性は,「『楽しいからいいよ』と他県連の友だちをさそってきた。彼もSAKの研修をとても気に入って,『来年も来ます』と言ってる」。

加賀専門委員 講習風景

山田専務 講習風景

「ぴょんぴょんはねる」
 午前中は「レッドコース」で山田隆専務理事の研修班を取材(「研修会」の項参照)。午後はイエローコースで高橋佳伸専門委員のスノーボード講習班を取材した(「スノーボード」の項参照)。そのままイエローコースでビデオとデジカメを構えていると,ゲレンデのあちこちで神奈川県の研修班や講習班に遭遇した。
 切り換え時に「ぴょんぴょん」飛び跳ねるバリエーションで降りてきたのは,堀祐樹理事の「強化合宿1班」だ。神奈川県の代表選手・工藤英明さんが今日のメニューを考えたそうだ。「ストックを使わず,静的動きから動的動きを表現した。班員は,県予選に出る選手や,テクニカル・クラウンを受験する人たち。みんなサラリーマンだ。19歳のうまい男子がいる」(堀専門委員)。さすがに,みなうまい!
「集合写真撮りますから,なにか楽しいことしてください」と注文すると,鼻のてっぺんにスヌーピーのばんそこうを貼った,青年が,真ん中に寝転がってパフォーマンス。今後が楽しみだ。

「一人ずつアドバイス」
 強化2班は,加賀義人専門委員。イエローコースを降りてくる班員の滑りを,加賀さんが班員に向けて解説する。一見,だれもが最先端のカービングをしているとしか思えない。それが,加賀さんが「彼は縦の動きはわかっていますが,板に荷重が伝わっていません。横に体を倒してかかる荷重は,自分の真上になければ。勘違いすると,内足にかかってしまい,外肩が上がります」などと解説するのを聞いていると,「なるほど。そこがポイントか」と感心してしまう。
 アドバイスはさらに続く。「すぐ次のターンに入りたがって,弧が描ききれていません」「ひざがくっついてしまっています」「ひねり操作が入って,軸を倒すだけになっています。ひざの下に三角の空間が見えるのは,ピポット的なひねりをするからです」「出だしのイメージはいいけれど,腰を折らずに降りてきてほしい。今の板はサイドカーブが強く,腹筋と背筋を使います。ストックをもつ腕は,昔よりも広くして雪面の負荷を受け止めて。昔は骨盤を寝かして滑っていたが,いまは普通にして,胸をはって」。こうしたアドバイスは,滑りを見ながら聞いていると,たいへんためになると実感した。

さぁ、ゴーグルをはずして

早川理事 4人でみっちりと…

「こじんまりと講習」
 山川美奈子・北海道プロジェクト委員の班は,県民スクール。「撮影させてくださいね」と近寄っていくと,山川さんが「さあ,みなさんっっ。ゴーグルはずしてお顔を見せましょう!」と盛り上げてくれた。「えー。恥ずかしいわあ」などと言いつつも,みんなしっかりゴーグルをはずしてくれた。翌日,オプションの「小樽ツアー」で一緒だった女性が,「わたしあのとき,ゴーグル外したものです」と教えてくれた。
そろそろ午後3時。閉会式の時間が近づき,どの班もフリーになっている。と,そこに,熱心に講習を続けている班が。早川博基理事が率いる県民スクールだ。4人というこじんまりとした所帯で,「斜滑降」などの基礎練習をていねいに行っている。早川さんは,一緒に田沢湖スキー場で正指導員を受験した同期。わたしはあまり指導もせず,どんどんへたくそになっていくのに,早川さんはえらい。だが,そのころ「役員控え室」でみんなが「早川さんはどこ?」「どこ?」と探しまくっていたことを,このときの彼は知らない。

歓談中とでも言いましょうか…

帰りのバス

「帰りのバスはガラガラで」
 閉会式も無事終わり,次々とホテルに向けてバスが出発する。わたしと三浦広報委員は,「まだ,古郡敬一副会長も,山田専務も,片常務も,早川理事も,上田理事もいるからだいじょうぶ」と安心し,役員控え室でゆっくりくつろいでいた。そこにぱたぱたと,本田理事が飛び込んできた。どうやら終バスの時間が迫っているらしい。あまりにみんながこないので,バス駐車場からわざわざ迎えに来てくれたらしい。
こうして終バスは,役員+一般の人2人(うち一人は,キロロで一緒だった近藤さん。わたしたちを避けたのか,後ろの方に座っていた)を乗せて,ガラガラのまま,京王プラザホテルに向かった。むかしむかし北海道ツアーで札幌国際から帰る時,あまりに熱心に滑ったために,役員しかいない最終バスに乗るはめになって,いじめられて泣かされたことがあった。なんだか久しぶりに同じようなシチュエーションだ。みんなが眠くなるまでの数十分間,いつものように「かわいがられた」のはいうまでもない。ひとくせもふたくせもあるが,心はとてもあたたかい人々とこうしてからむことができるのも,北海道ツアーならではの楽しいひと時だ。

上田英之専門委員レポート
小樽の町が見えます
最高のコンディション

 12月12日(木)天気 はれ

◆なぜ朝里川が一番人気なの
 オプショナルツアーは、ニセコ、ルスツ キロロ 朝里川の4つのスキー場から選択できますが、今年は、ニセコとキロロがバス1台。ルスツがバス2台、そして朝里川はバス3台という一番人気となりました。なぜ人気なのでしょうか、それは、近いことと、そして滑走時間が一番長くれるからでしょう。それに、他のスキー場と比べても比較的天候も安定していて、他では風でリフトが止まっても、朝里では動いているのです。ゲレンデは驚くほど広くはないですが、それでも北海道を満喫でくるゲレンデです。十分十分なのです。

ガラガラの朝里川ゲレンデ

◆最高の天気
 私の担当は、クリニック班ですが、Sコースで来ましたので、11日、12日と県民スキーを担当しました。クラス的には2級から1級レベルの班でしたが、基本的な乗る位置や操作を中心に練習を行ないました。でも、なんと言っても、この素晴らしい北海道を楽しんでいただかなくてはいけませんので、滑って、滑って、一杯楽しんでもらえる様に気をつけたつもりです。参加者の皆さんどうでしたか。そういえば、写真に写っている山田専務は、時おりチェックしに来て、能書きが長い(話が)講師は、どやしつけられるのです。(怖いです)
中央の山田専務と参加者の皆さん

◆常連さん失礼しました
 「上田さん、覚えていらっしゃいますか?」「えっ‥」「もぅ忘れちゃったのですか!」なんて、今日のメンバーの中には、4年前に一緒だった男性1名、3年前に一緒だった女性2名と、常連さんで一杯でした。特に、ペガサスの中島さんと嶋田さんは、3年前にホームページにレポートを掲載していただいたのでした。本当に、ごめんなさい。でも言い訳を言わせてもらえば、すべりを見たら思い出したのですけどね〜。このお二人は、14日に行われた朝里川での検定会で、見事1級に合格されました。おめでとうございます。よかったですよいね。来年も是非きてくださいね。
右が嶋田さん

◆悩まないで、スキーは楽しいものです
 スキーの講習をしていると、スキッディングでは外足への荷重がポイントになるのですが、内倒気味の方もいらっしゃって、外足1本スキーとか色々とバリエーションもやりました。でも、北海道まで来たのですから、どうだこうだと、あんまり悩まないで、楽しく滑りましょうね。♪ なんて、私が悩ませたと言う話もありますが(^^ゞ スキーは全体のリズムが大切です。滑っていること自体が楽しいんだということです。せっかくの雪上で、こうしなくては、ここを直さないとなど、悩まないで、リズムだけ注意して、思いっきり滑れば、良いのです。
講習会の風景

◆しかし素晴らしい雪でした
 実は、昨晩少し雪が降ったようですが、イエローバーンのリフトは午後から運転開始するという状況で、ちょっと雪が少なかったかもしれません。でも、レッド、グリーン、パープルと雪が少ないなど感じさせないバーン状況で、下のレッドでも雪がキュキュ鳴り、なんでも出来そうな素晴らしい雪でした。ゲレンデは空いていて(貸し切り状態)、雪も良くて、なるべく長い距離を滑れるという三拍子揃った申し分の無い環境でした。結局、どのコースに行っても北海道は堪能できるということでしょうか。 以上ありがとうございました。
講習会の風景
 
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