ホーム > 行事レポート > 2003 > 北海道・札幌

スノーパラダイス in北海道 番外編 札幌
大井智子 広報委員レポート
佐々木生道 専門委員グルメレポート(番外2)

★炎のラーメン佐々木生道専門委員のグルメレポート番外編2はこちら
樹林での朝食風景 おいしい〜
樹林の朝食

番外編●その1「札幌の朝」

札幌の朝は早い。
 Aコースで参加するわたしにとって今日は3日目。京王プラザホテルのレストラン「樹林」での朝食はバイキング形式だ。朝6時にオープンする。これが,日増しにエスカレートしていく。きのうは6時に樹林に到着したが,すでに列ができていた。6時30分ごろにはスムーズに入場できるようだ。
 早起きしたこともあり,「よし。きょうは一番でいってやれ」と思い,5時45分に「樹林」入り口へ。さすがにまだクローズしている。身を潜めていたが,入り口の「マスター」のような人に発見された。彼は準備に入っていた店内のメンバーに向かって「よし。あけるぞ!」とカツを飛ばした。

「『ひとり朝ごはん』に知り合いを引きずり込む」
 「いらっしゃいませ」と大きな声で案内される。朝一番でデパートに入ってしまったような,バツの悪さだ。まずは,ごはんコーナーに向かう。横には,飲みすぎの人に人気の「おかゆ」。わたしはごはんにすじこを乗せて,「いくらごはん」を作成する。さらに白米の中にうめぼしを埋め込み,ひじきや漬け物や焼き魚や黒豆納豆やらサラダやフルーツを皿に乗っけて,窓際の4人席へ。三浦広報委員はまだ寝てる。今日はひとりで朝ごはんだ。
 知り合いの,クリスタライズスキークラブの小澤さんが通りかかった。すかさず,「ここあいてますよ」と手招きした。同じクラブの福岡昭充専門委員も一緒だ。専門委員としては新人だが,横浜スキー協会のホームページづくりを一手に引き受ける,横浜にはなくてはならぬ優秀な人材と聞く。しかし,わたしは最初に「名前が県名の人」と覚えたため,ときどき「福島さん」と呼んでしまう。「福島」という名の友だちがいたせいか。それでもやさしい福岡さんは,「違いますよ」などと言わず,黙って「福島さん」のふりをしてくれる。

「話題は『クラブ』」
 さらに,木村徳善理事の姿が見えたので,「ここ,ここ」と無理やり呼んだ。朝ごはんのテーマは「銀座のクラブ」について。先日,学生時代のスキークラブの同期6人と築地の「つくねなべ屋」で夕ごはんを食べた。同期のひとりが,商社を辞めて政治家になることを決意し,その激励会だったのだ。その彼が,「支援者の関係で『行かなきゃいけない店』がある」とわれわれを連れてったのが銀座の「クラブ」。
店内は,どこかの会社の身分が高そうな人で満員だった。もちろん女性の客はひとりもいない。われわれが座ると,きれいな女の子たちが男子の間を「ちょっとごめんなさい」と分け入りながら一人に一人ずつついた……。
という話を,朝ごはんを食べながら3人に向かってしたのだ。「最初はうろたえてた同期の男たちは,ものの5分もたたぬうちに懐柔された。とても楽しそうな笑い声をたててね。いやあ,男って女と違うのねと思いました」などと話すと,みんなの目がキラキラ輝きだして,おのおのの豊富な経験談を披露してくれた。
札幌の朝ごはんの鉄則だ。たとえ一人でも,ちょっとあたりを見わたして,トレイを持ちながら席がなくって困っている人に,「あの,ここどうぞ」と声をかけてあげよう! 「何コースに参加ですか?」などと話かければ,知り合いになれるかもしれない。来年,再会する楽しみも増える。自分から,強引に「ここあいてますか?」と座ってみるのもひとつの手だ。なんといっても「旅は道連れ」である。

美味しそうなホッケ

店は違いますが、楽しいぜぃ

番外編●その2〜反面教師にしてほしい〜「札幌の『ひとりぼっちの』夜」
 札幌の夜は自由だ。どこでだれとなにを食べてもいい。
 ツアー初日の晩ごはんは,機内で食べたお弁当。23時30分のミーティングに出席して夜はおしまい。
2日目は,東京から札幌に移住した友だちに5年ぶりに再会した。彼は千葉県スキー連盟に所属する「ミストラルスキークラブ」のキャプテンだ。仕事がハードでスキーはすっかりしてないらしい。すすきのの「根惚気(ねぼけ)」という」という店に連れて行ってもらい,「もう食べられません」というぐらい,「○○のカマ」などの魚関係(こまかく書きたいけど忘れてしまった)をたくさん食した。周りは地元客ばかりで,2人で7000円ぐらいとリーズナブルでもあった。昔話に話をはずませつつ,23時30分のミーティングに間に合うようにホテルに戻った。

トナカイさんサンタさん

写真をとる大井広報委員

「ぎょうざのおみやげ」
3日目は,SAKパーティ! トナカイさん,サンタさん,テーブルのみんなをデジカメに撮りながら,すきをみてはいちばん後ろのテーブルで,卓上のものをパクパクたいらげた。そこには,去年まで広報委員をやっていた古澤さん,現・広報委員の小池さん,安全対策委員で前に取材した佐藤さん(3人はなかよし)たちが陣取っていたからだ。クリスタライズの小澤さんと福岡さんもいる。最初は男子ばっかりだったが,パーティ後半にもなると隣接するテーブルの女子と盛り上がっていた。さすが古澤さんだっ。
パーティが終わってみると,おなかがすいている。そこで,学生時代のスキークラブの後輩で,指導員研修会に一人で参加している「スキッピースキークラブ」の上野君を「ラーメン食べよう」と強引にさそい,京王プラザホテル近くのビルB1Fのラーメン屋に行った。ここは,「コンビニに漫画を買いに行く」ついでに古澤さんが案内してくれた。ぎょうざと,塩タン麺を食べた。地元客ばかりで込んでいたが,おいしかった。上野君はそのまま,パーティで仲良しになった古澤さんたちの「飲み会」に合流するというので,食べきれなかった「ぎょうざ」を1個包んで「おみやげ」に持たせてあげた。翌日,朝里川スキー場で山田さんの班員だった古澤さんに再会したところ,「油でべちょべちょだった」と不評だった。

「え゛」
 さて。いろいろあったが今日は札幌,最後の夜。わたしは,上野君や,わが「スキー虫クラブ」から一人で参加してるまだ会ったことのない新入会員(今シーズン準指受験する)の人を見つけ出し,2日目に再会した友だちと,みんなでごはんを食べようと考えていた。
 朝里川からの最終バスでホテルに戻ると,すぐに緊急ミーティングが開かれることとなった。あわてて着替えて2120号の本部室へ。あすの帰京便の調整などを行い解散。これで本日は,23時30分のミーティングは開かれない。夜は自由だ。
わたしはそのままホテル1階のロビーの公衆電話に行き(携帯電話をもってないので),「今日の待ち合わせは8時ごろにしない?」と提案すべく,友だちの携帯に連絡した。し。しかし,帰ってきた答えは「あっごめん! 今日どうしてもお客さんのところに行かなきゃいけなくなっちゃって。だめんなっちやった」。
「え゛」と思ったが,すぐに,「そうか。仕事じゃしかたないよね。じゃあまたメール打つから」と大人らしく電話を切った。
仕方ない。「2人になっちゃった」と言おうと思って,次に上野君の部屋に館内電話をかけた。「すいません。今日は別の用が入っちゃって」。「う」。し,しかし先輩OGのこけんにかけて「そおお?わかった」と明るく電話を切った。

きょうはなべだったか…

それとも刺身たったのかぁ…

「まずはお風呂に」
 ま,まさか……。札幌最後のとても楽しい夜なのに,わたしは一人なのだろうか。これまでSAKの札幌スキーツアーには4,5回参加したはずだが,晩を一人で過ごすのは初めてだ。ああしまった。さっき,ほとんど役員しか乗ってなかったスキー場からの最終バスで,山田さんが「きょうは近くのビール園に行くぞ。おい広報も取材にくるか」とせっかく行ってくれたのだから,素直に「はい」と言えばよかった……。
なんてこと考えても後のまつりで,とりあえず1325室の部屋にもどる。あわててミーティングに行ったので,スキーウエアもぬいだままだ。かなりお腹がすいている。いまロビーに行ったら,楽しそうな人々の楽しそうな待ち合わせの輪がいっぱいあることだろう。そんな中を突進して,一人で出かけるのもやだなあ,と思い,とりあえずお風呂に入って温まることとした。
 まだ会うことのできない未知のクラブの人には,初日に部屋番号を調べて10回ぐらい電話をしていたが,連絡がとれないでいた。ちゃんと誰かと楽しく過ごしているだろうか。そう思うと,事前にちゃんと連絡方法を段どっていなかったことがくやまれる。
 お風呂から出て,いよいよ空腹は極限状態に。いっそ,ルームサービスにしちゃうか,とも思ったが,メニューをぱらぱらめくるとなんとなく割高だ。先々月,仕事で札幌に来たときに,駅前にガラスの筒状の建物があった。それが何か気になってたこともあり,「よーし。駅で駅弁買って,お部屋でゆっくり食べよう」と決めた。

「夢のライラック」
 さすがに,夜8時ともなれば,ロビーに人は少ない。ダッフルコートに白い毛糸の長いマフラーを巻きつけて,完全防備で駅に向かう。駅前の,ガラスに囲われた建物は,地下の飲食店街につながっているシースルーのエスカレーター乗り場だった。さっそくこれで地下に下りて,駅の方向へ向かう。そのころには,「ひとりぼっちのごはんなど,これが出張だと思えばいつものことさ」と,さびしい気持ちは半減していた。
よりどりみどりの飲食店を前に,「いっそここで食べてくか」と思い直し,ショーウィンドーでじっくり品定めしてから寿司屋に入った。店で一番高い握り「ライラック」を食べることに決めていた。注文。ところが,出てきた握りの様子が違う。カニがいない,ウニがいない,中トロも見当たらない。あせって伝票をひっくり返すと,「ラベンダー950円」とあるではないか。し,しまった。同じ「ラ」だから間違えて注文しちゃったのだ。

大通り公園のイルミネーション

すすきの」の夜景

「あやしい人」
 くさる気持ちをなぐさめながらも,「ここままじゃあ帰れんな」とも思ってた。2日目にすすきの行ったとき,道中のタクシーの窓から見た街のイルミネーションがきれいだった。「よーし。地下鉄に乗って久しぶりに大通り公園に行くか」と決めた。地下鉄南北線はほどよく込んでいた。ところが各車両にある「優先席」には,だれも座ろうとしない。本州と北海道の文化の違いを感じた1シーンだった。
 「札幌」から一駅で「大通」に着く。地上に上がって,あらためて驚いた。ライラックなどをかたどった花のイルミネーションが,大通公園のあちこちに置かれている。すごくきれい。あちこちにもみの木があって,クリスマスムードもたっぷりだ。
なんべんか,大騒ぎしているグループとすれ違った。SAKの人たちかもしれない。なんか楽しそうだなあ。わたしは,風呂上がりですっぴんで,めがねをかけている上に,ダッフルコートのフードを深くかぶり,さらに口元を白いマフラーで完全防備している。露出してるのは目のあたりだけ。性別不明の「ちょっとあやしい人」に見えるかもしれない。
 
「西に向かう」
突然,ちらちら雪が降っこってきた。え。今日の予報は晴れだっのでは,と思いつつも,10数年ぶりの「時計台」に向かう。もちろん,中には入れない。雪をカシャカシャ踏みながら,窓ギリギリまで近寄って中をのぞいた。暗闇に,高い天井と,細い木の柱や梁の造形が見えた。かっこいいなあと思って,再び大通公園へ戻る。
ポケットには,京王プラザホテルのフロントでもらった市内の地図をつっこんである。それをたよりに,とりあえず大通公園を西に向かう。おおざっぱに言えば,それがホテルのある方向だからだ。イルミネーションの気合も,西に行くに連れだんだん薄れてくる。あったかい缶コーヒーを飲みながら歩いていると,もうそれほどさびしくない。一人でイルミネーションを撮影する,お仕事中のカメラマンもいるではないか。

これでもか!イルミネーション

のらなかったのかなぁ…

 

「落ち葉ひろい」
いくつかのブロックを過ぎると,今度は幻想的に周囲の木々をライトアップしている,ちょっとした広場に出た。なんの木だろう。グリーンやパープルの照明に照らされて,不思議な色に浮かび上がった木は「魔法の森」に迷い込んだような気にさせる。
さらに行くとほとんど人通りがなくなった。たまにすれ違うのはカップルぐらい。公園の地面の雪も,ほとんど踏み固められていない。ふと見ると,花壇の雪の上にたくさん葉っぱが落ちている。本州ではあまり見ない,変わった形の葉っぱだ。よし,これを北海道にこれなかった人へのおみやげにするかと思い,しばし落ち葉ひろいに熱中した。人通りがないので,恥ずかしくない。葉っぱは雪で湿っているせいか,なかなか新鮮な植物の匂いがする。

「イルミネーションはおしまい」
 そうこうするうちに,「ぱっ」とあたりが暗くなった。午後の10時を過ぎている。どうやらイルミネーションの点灯時間が過ぎたらしい。あんまり遊びすぎて,すっかり体は冷え切っていた。そろそろ部屋に帰ろう。そう思い,今度はてくてく北に向かって歩き始めた。ほとんど人通りはなかったが,途中で女の人とすれ違った。なんとなく,こちらと目をあわさないように足早に通りすぎていく。やはりわたしのいでたちが,こわかったのかもしれない。
 こうして,最後の晩は過ぎていった。来年一人で参加しようと思っているあなた。わたしみたいにならないためには,心を開いて,みんなと仲良くおしゃべりするといいかなと思います。事前のお約束をしっかりしておくことが大切です。まあしくじっても,札幌の街は一人でもけっこう楽しめるもんですが。


ホーム > 行事レポート > 2003 > 北海道・札幌