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準指導員検定会レポート
広報委員  大川 広樹

プルークボーゲンの実技検定中

最後の種目は制限滑降 大川さん

◆みなさんおひさしぶりです!
 「SAKで一番スキーの下手な専門委員」、広報委員&準指検定受験生の大川 広樹です。
 おぼえて下さっている方もいらっしゃると思いますが、私は広報委員兼受験生として、昨年11月に行われた理論講習のレポートを担当させていただきました。
 おかげさまで今シーズンは、ゲレンデで知らない人から声をかけていただくことがたくさんありました。

 「SAKのホームページに出てた人ですよね!」
 「私も準指を受験するんです。一緒に頑張りましょう!」
 「結婚式の写真を載っけるなんていい度胸してますね!」(これが一番多い感想でした。検定に向けて自分にいい意味でのプレッシャーを与えるためにやったことだったのですが・・・)

 そんなこともあって、今年の準指導員検定会のレポートは私が書くことになりました。
 さる役員の先生の、「不合格になっても書くんだ」という至上命令があったということもありますが、やはりホームページであれだけ宣伝した以上はその結果を報告しなくてはいけません。
 3度目となる今回の検定は、実際の検定が始まる前からプレッシャーとの戦いが始まっていたのでした。
 いえ、全部自業自得なのですが。

調子はどうですか?

ジャッジもご苦労様です

◆検定をふりかえる その1
 今回の検定は、ここ数年で最高のコンディションに恵まれた検定だったのではないかと思います。特に初日の雪質はすばらしく、朝イチの足慣らしの時、板が雪面に確実に食い込む感触に、「今年こそいけるんじゃないか」と期待がふくらみました。

 ただ初日は、スタート位置からジャッジが見えないほどの濃霧になってしまい、検定が頻繁に中断するなど、厳しい一面もありました。
 ジャッジがコース中ほどまで斜面を登り、霧が比較的晴れた瞬間にスタートとなるのですが、順番待ちの時間の長さもさることながら、自分の番で流れが止まると、いつ再開となるか分からないという緊張もあり、集中力を保つのにたいへん苦労しました。

 もっとも不整地小回りでは、例年なら下半身が隠れて見えなくなってしまうほど深くて硬いコブが、今年は積もった雪のおかげで浅く柔らかくなっていましたし、ジャッジの採点も視界の悪さを加味したものになっていたのではないかと聞いていますから、総合的に考えればやはり条件は良かったと言えるのではないかと思います。

 2日目は晴天にも恵まれて絶好のコンディションでした。
 朝イチの足慣らしにスポーツマンコースに行ったのですが、なんと誰もコースを滑っていなかったので、その日の種目を無視して全開の大回りをしてしまいました。
 検定の練習にはなりませんでしたが、久しぶりに最高に気持ちのいいスキーができたのでした。

◆検定をふりかえる その2
 次に今年の検定から変更になったことなどを報告します。

 まずは、受付についてですが、今年から前日の夜もスカイパークホテルで検定の受付をしてもらえるようになっていました。
 前日から車山に入っていた私としては、翌朝に時間の余裕ができて、非常に助かりました。

 また今年は、検定バーンが変更になった種目がありました。
 特に制限滑降のコースは、去年まで使われていたロングコースから打って変わり、ビーナスコースの中ほどからのスタートとなりました。
 昨年までのコースは斜度が緩かったため、「体重・ワックス・空気抵抗」が非常に重要な要素になっていました。
 今回の開会式の中で禁止事項に挙げられてしまいましたが、空気抵抗を減らすためにスキーウェアをビニールテープでぐるぐる巻きにして体にフィットさせている人などもいました(ごめんなさい。人ごとのように書いていますが、私もやりました)。
 しかし今年は、より純粋な技術が求められるコースになったと思います。
 旗門数も20旗門と少なくなったことで、検定の進行もスムーズになっていました。

 それと、これは個人的なことになりますが、前から「ヨーデル(レストラン)のおばちゃんに顔をおぼえられる前に合格したい」と冗談で言っていたのですが、今年とうとうおぼえられてしまいました。いや、とてもうれしいことであって、「おぼえてもらった」と言うべきですね。何回も受験していると、そんないいこともあるという話です。

サポートごくろうさま

今回は記述式が多くて…

◆理論検定のこと
 実技だけで終わらないのが準指検定。そう、初日の夜に理論検定があるのです。
 しかし、受験生には大きな味方があります。
 検定が近づくと受験生の間に「予想問題集」なるものが出回るのです。これは、養成講習で専門委員の先生方が「ここがポイントです」と言ったところを受験生の誰かがまとめてくれたもので、そうして出来上がった予想問題集は、E-MAILに添付されて受験生の間を駆け巡るのです。
 私もご多分に漏れず予想問題集のお世話になりました(昨年までは自分でも作っていましたが、今年は時間がなくて作れませんでした)。おかげさまで合格点が取れたと思います。予想問題をまとめてくれた人に、この場を借りてお礼申し上げます。

 ただ、この「予想問題集方式」にも弱点があります。ヤマを外されるとまったく太刀打ちができないということです。
 今回の問題は記述式が多く、私が入手した予想問題から漏れた問題も結構あったので、ちょっとだけ冷や汗をかきました。

 教程に書いてあることは基本的に「指導員になったあかつきには知っていて当然、知らないと困る」ことですし、正指導員の検定では理論が非常に重要視されると聞いています。準指検定を通過することだけを考えれば、ヤマをはるのも有効ですが、時間の許す限り教程に目を通しておいた方が、結局は自分のためになると思います(自分ができなかったことを人にすすめるのも筋の通らない話なのですが)。

◆そして合格発表
 スカイプラザで閉会式。
 シーズンインからこの日まで、長かったようなあっという間だったような不思議な気持ちです。
 準指検定の合格発表は、B・C級検定員やスノーボード準指導員の合格発表に続いて最後に行われました。物事には順序があるとは言え、早く結果が知りたくてうずうずしてきます。
 はじめに上位10人の合格が発表されました。

 「第1位、ビブナンバー95 長田 亨さん」

 あれ、どこかで聞いた番号と名前だな。一瞬、思考能力が停止して、気が付いたら大声を出して長田さんの手を握っていました。

 今年トップ合格したのは、私と同じ相模原市スキー協会の長田さんでした。発表のときは隣に座っていて、「今年のトップ合格は誰なんでしょうね〜」と話をしていたのですが、その本人がトップだったのです。相模原からは、6位にも佐藤 千草さんがランクインしました。

 その後はビブナンバー順に合格者が発表されていきます。
 最初に受験したときから一緒だった仲間の名前が呼ばれたときは、自分のことでは無いのに自分のこと以上にうれしくて涙が出てきました。
 もう何年も涙なんて流していません。泣き方を忘れてしまっていたので、どうしていいか分からなくて大変でした。

 泣いているうちに私の番号と名前が呼ばれました。

そして、私です

トップ合格の長田さん

◆仲間のこと
 私の所属する相模原市スキー協会は、ビッグクラブの数では他の大きな協会にはかないませんが、クラブ同士のつながりに関してはSAKでも一番だと思っています。協会全体が一つのクラブのように機能しています。
 準指検定を通じて、私はそんなクラブ間の交流のありがたさを再確認できました。
 また、検定を通じて、つながりはさらに強くなったのではないかと思います。

 最後の種目、制限滑降が終わった後、相模原からの受験生で集合写真を撮りました。
 そして、ひそかに持ち込んでいたスパークリングワインをあけて、サポートに来てくれていた人たちと一緒に乾杯をしました。

 今年初受験だったある人は、去年サポートとして車山に来ていました。そして、受験生が最後に集合写真を撮っている姿にとてもあこがれて、自分もその中に入りたくて、今年受験することを決意したそうです。
 私も4年前に同じクラブの受験生をサポートに来て、その姿に感動して自分も受験しようと決意したのでした。

 また、ここ数年で準指検定に合格した人が何人もサポートのメンバーになってくれています。

 サポートから受験生になって、またサポートとして協力する。
 こんなつながりがこれからも続いていくのだと思います。

◆最後に無理やりまとめます
 さて、こうして私は準指導員になれたわけですが、SAKで一番スキーの下手な専門委員であることには変わりはありません。スキー技術もそうですが、実際にスキーの指導をする技術については検定の種目になっていませんから、合格したこれからが始まりなんだと思っています。

 このレポートはできるだけ普遍的なお話にしようと思っていたのですが、結局、ほとんどが個人的なお話になってしまいました。
 でも、それを無理やりまとめてしまうなら、受験生一人一人にとって自分だけの検定会があるのだと思うのです。
 いろんな協会・クラブで、いろんなスキーヤーが、いろんなことを考えてスキーをしている。
 それが、3回検定を受けた中で一番印象に残ったことでした。

 これで私のレポートを終わります。
 私のようなへっぽこスキーヤーにとって、長いスキー人生の中で自分が主役になれる数少ない機会。それが準指検定でした。
 これからも、たくさんの人に、この貴重な体験をしてほしいと思います。

 来年はサポートとして必ず参加します。
 これからもよろしくお願いします。

 おしまい

検定中のひと時

調子が良いみたい〜


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