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五竜T行事 スキー技術強化合宿
レポート 広報委員会 大井智子

伊藤委員長の挨拶でスタート

ウルルに集合した強化班のみなさん

◆2005年1月14日(金)〜16日(日) 五竜行事T
  (財)全日本スキー連盟主催 (財)神奈川県スキー連盟主管/主催 

◆スキー技術強化合宿

 1月15日(土)。本部宿の「ウルル」で、夕食時にみんなとビールを飲んだ。アルコールの眠気を払おうと「ウルル」のロビーでコーヒーをすすっていたら、原田実SAK専門委員が「大井さん、地下で強化合宿のミーティングやってるよ」と教えてくださった。さっさく、デジカメとメモ用紙を手に地下へ向かう。

◆「ムクの木のミーティングルーム」

 「去年は、ここはなかったなあ」と思いながら、地下の乾燥室の奥にある「ミーティングルーム」を眺めた。内装にムクの木がたっぷり使われていて、舞台に向かって客席が階段教室のようにデザインされている。ウルルのオーナーの岩井良三さんは、もともと1級建築士の資格を持っている。ゼネコンで8年ほど現場監督を勤めてから、31歳の時に、親戚の人から継いだ「ウルル」のオーナーへと転身した。普段は、建築雑誌に記事を書くフリーのライターをしているので、つい岩井さんに親しみを覚えてしまう。

 19時30分。向かいのペンション「アルム」から強化合宿チームがミーティングルームに到着した。講師は、柳橋泰久・竹腰誠・加賀義人SAK専門委員の3人。ほかに、清水忠・百海延・伊藤明子・石井淳也SAK専門委員の姿も見える。石井さんは、バランスボールに乗っかっている。受講生は11人。車山スキー場で行われる、神奈川県・千葉県スキー技術選手権大会を次週に控えているせいか、彼らの表情はとても真剣だ。

2軸の伝道師

わかり易い解説です

◆「チーターは内足をたたみ込む」

 ミーティングは、山田隆SAJ教育本部広報委員長よる「2軸理論」の講義からスタートした。パソコンを操作するのは、上田英之SAK総務本部長。馬やチーターの走る姿が、壇上のスクリーンに映し出され、「自然界の動物は内足をたたみ込んでコーナーを回る。内軸中心に動いている」と山田さんが解説する。さらに、オートバイでの「ショルダーファースト」と「ヒップファースト」の違いや、嶺村聖佳の滑りなどが披露された。

 山田・上田コンビにとってこの講義は、「スキーの理論研修」(すでにレポートに書いたので、ご参考にしてください)「スノーボードの理論研修」に引き続いて3回目となる。私は2回目。いけない。このあたりから、メモの文字がぐにゃぐにゃと乱れてきた。ちょっと眠気が襲ってきた。

さっそくナンバの実演を

こんな感じかな

◆「歩き出す人々……」

 続いて、「ナンバ走り」のDVDから、「歩く」と「走る」の項目が上映された。すると、画面を見ていた受講生たちの体が、ゆらゆらゆれ始めた。そのうち、数人かが「もう我慢できない」という感じにすくっと立ちあがり、舞台に向かって「ナンバ歩き」を始めるではないか。さすが、強化合宿! こうでなければ、技術選は戦えない。さっきまで、眠くてゆらゆらしそうになっていた私の体も、意欲的なみんなの姿を目の当たりにし、すくっと背筋が延びていた。

 思えば十数年前、私は頼まれもしないのに、せっせと車山の技術選に出場していたものだ。当時は「南関東」と称して都連や県連が集まって戦っていた。当時、「女子で10位以内に入ったら、やめよう」と思っていたのが、20〜30人そこそこの出場者の中で、確か最高14位ぐらいであきらめた気がする。

雪上の伊藤班

バランスボールも…

◆「種目を間違えたのかっ」

 忘れもしないのは、ある年のウェーデルン種目(現在の小回り)に出場した時のこと。当時、田村由郎さんというSAK役員の方に、「大井、ウェーデルンは得意種目だろう。いいとこいけるぞ。狙ってけっ」とはっぱをかけられ、150%の気合でスタートした。だが、気合のあまり、直滑降を長く取りすぎた。車山のバーンは固い。小さいターンに入りきれず、そこからぐいーんと大きくターンして、さらにターン、ターンと、結局、3ターンぐらいでゴールに降りてきてしまった……。泣きたい気持ちでいると、田村さんが不思議そうな顔で駆け寄ってきて、「大井、パラレル種目と間違えたんだよなっ」と声をかけてくれた。そ、そうじやないんですう。

 それでも、ちっともへこたれないで出場し続ける我々に、山田さんは「いまに、シニア大会を作ってやるから、おまいら、そっちに出ろ」とよく言っていたものだ。数年前、本当に、冠富士山スキー技術選手権大会にシニアの部が出来たときは、「山田さんは、あの時の約束を忘れてなかったのか……」と驚いた。

 現在、このレポートを書いてる時点で車山の技術選は終わり、学生時代に所属していた「スキッピースキークラブ」がチーム対抗で6位に入ったと聞いた。クラブ員の西高志さんが強化指定選手に選ばれたとも聞き、私のできなかったことを実現する後輩たちの活躍を心からすごいなあと思う。

 今回は陸上でのレポートでしたが、次回は雪上でのみなさんの姿を取材したいと思います。冠富士山スキー技術選大会に出場される選手の方々は、ぜひがんばってください。


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