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五竜T行事 ハンディキャップ教室
レポート HC委員会 二階堂潤

班分けと担当は、これでいいかな?

宿でも打ち合わせ中

平成17年度第1回ハンディキャップスキー教室IN白馬五竜スキー場

 平成17年度第1回ハンディキャップスキー教室は白馬五竜スキー場で1月15日(土)から16日(日)にかけて実施された。視覚障害の方7名、知的障害の方5名、肢体不自由の方1名で、参加者は合計13名、この方たちを8名のボランティア講師と8名のハンディキャップ委員がサポートする形で、実施された。今回は昨年度試行した個人記録表を継続的なスキー指導のカルテとなるように作り直し(資料参照)、事前に参加者の障害の状況やスキー経験をハンディキャップ委員が記入し、ボランティア指導員と講習実施前に打ち合わせを行うことで、きめ細かい指導に努めた。講師の中には昨年に引き続きご協力をいただいた方も数名おり、この記録表はたいへん役立つと好評であった。


合格おめでとう。川俣さん

合格おめでとう。碇さん、斉藤さん

◆スキー教室は8班に分かれて実施

 班編成は障害の状況やスキー経験によって1級受験班から初心者班まで、8班に分かれて実施されることになった。(教室の様子はSAKホームページの大井智子広報委員の記事に詳しい報告あり)2日間の参加者の熱心な取り組みと各講師の巧みな指導により最終日の検定結果は、2級合格が西城雄一氏と新井美紀子氏、3級合格が川俣 一利氏、4級合格が碇 章浩氏と斎藤 宗氏となった。

◆級別テストを実施

  残念ながら1級検定を受検された4名の方は不合格であった。
  反省点としては、検定日当日が上越独特の牡丹雪が本格的に降り続き、前日打ち合わせてあった整地斜面もこぶ斜面も全て新雪深雪に埋もれ、予定変更に次ぐ変更で受験者の皆さんにはだいぶ混乱をきたしたことである。しかし途中から研修会を終了した指導員の皆さんが駆けつけ、誘導等のお手伝いをしてくださり、何とか閉会式に滑り込むことができたことは幸いであった。ハンディキャップスキー教室のことを、多くの指導員の方が気にかけてくださっていることを委員全員が実感すると共に感謝する気持ちでいっぱいとなった。 


まずはリラックスから

大きな動作でわかりやすく

◆感動的な同行体験記

 以下に本年度初めてハンディキャップ委員になった二階堂 潤氏の講習初日の感動的な同行体験記を紹介する。

【1月15日】 朝、7時起床。外の気温はさほど低くはない。でも、朝食時には本降りに。前夜遅くまでの打ち合わせによる寝不足にこの悪天候は生徒も先生もつらい。レッスン時には、晴れてほしいと願いながら8時30分ゲレンデへ着く。エスカルプラザへ入り、ボランティアとの打ち合わせを行い、9時開会式の後、1級受験班に随行する。講師はハンディキャップ委員会の委員で教育本部の専門委員でもある、渡辺儀一さん。彼自身聴覚障害を持っている。アシスタントは長沢敏一さん、そして受講生は高橋静枝さん、森 和代さん、井口修良さん、岸本千太郎さんの4名。全員が聴覚障害だ。そのハンディをどう克服し、レッスン内容をどう習得するかを学ばせて頂いた。

 まず、感動したことは、レッスンコースの選定と一級技術取得のための心理的な働きかけの巧みさだ。そのポイントは、安心感と自信を持たせること。笑顔を絶やさず、確実なスピードコントロール技術の取得を第1に、緩斜面バーンから中斜面バーンへ そして、中急斜面バーンへと、受講生の今持っている技術を確認しながらそれを練り上げ、不安なく自然に一級技術取得へともっていく指導過程の巧みさを感じた。

 次に、手話と口話と身体動作をうまく組み合わせ、技能の要領を的確に指導していく巧みさに感動した。特にテールコントロールからトップコントロールへと技術を移行させていく過程での伝達は、難しさがあった。しかし、渡辺講師の前走、長沢講師の後走と併せてプルークターンや斜行などのバリエーションを導入し、かつ、それを左足、右足片側ずつの動作にさらに細かく分けて指導していくバリエーションは、健常者の指導では見られない、かみくだききった感じのバリエーションで、とてもわかりやすかった。

 受講生もしだいにその技術の違いを習得していく様子を目の当たりに見てると共に、講師が1日のレッスンで1級技能に必要なすべての技術をすべて伝達したことも感動した。それには、小生もいつのまにか自分の役割を忘れ、長沢講師と一緒に後走のお手伝いに入ってしまったほどであった。

  (HC委員会 二階堂 記)


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