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南関東ブロック研修会
初日ミーティング、デモ座談会
平成17年12月2日(金)〜4日(日) 車山高原スキー場

山田主任講師挨拶

座長 伊藤ナショデモ

◆ごあいさつ 山田主任講師

 本日の昼から研修を開始いたしましたが、研修会のテーマは、取り方によっては難しいと思います。先週の全日本コーディネーション会議でも平川副本部長からテーマにとらわれないですすめても良いとの話もありましたが、我々、雪のない県の大都会の組織では、技術だけではなく、いかに楽しませるかということが非常に大切です。ですからオフィシャルブックにいろいろなカリキュラムが載っておりますが、絶対に捉われた指導法をしようとか、研修会であれが大事なんだとは思わないですすめていただきたいと思います。

◆ナショナルデモンストレーター座談会

◆本日のプログラムについて

伊藤敦(千葉)

千葉県を担当しました。本日2時間ほど雪上で研修をしましたが、足慣らしを含めた中でフリーも行いましたが、滑る点で気がついたことをお話します。
  シーズン初めということもある、エッジングの使い方によって膝が内側に入ったり、スタンスの幅が狭かったり、上体がおきてしまっているとか、スキーの真ん中に乗ることなどをレッスンをさせていただきました。

柏木義之(新潟)

神奈川県を担当させていただきましたが、ほとんどの方が初滑りで、ゲレンデもボコボコしており、滑るのには難しい状況でしたので、足慣らしを含めてポジショニングのチェックなどを行いました。体の全体的なポジションに気を使っています。シーズンはじめの2週間ぐらいで変なクセのポジションがついてしまうとなかなか修正ができなくなります。間違ったポジションのまま練習をしてよけい悪くなることが過去にありました。この時期、スキーを走らせようかエッジをかけていこうとかより、どこに乗ると板がスムーズに曲がってくれる、どこに行くと前傾した時にテールがずれる、後傾のときにトップがきょろきょろする、スキーに対しての身体の位置の確認をイメージトレーニングしてもらいました。それからスタンスの幅ですが、ブーツが変わったりマテリアルも変わって、微妙に変わってきますので、股関節をうまく使える幅を意識して、ポジションを固めていくことを行いました。
  気になったのは、シーズン終わりの3月、4月の良い雪で終わりますので、そのイメージのまま、いきなりスキーを走らせよう、エッジをかけていくなどが見え、後傾になってしまう方がいました。シーズン初めは、ポジション、スタンスのチェックが重要です。

松田富士人(長野県)

神奈川の方たちと一緒に滑らせてもらいました。まずポジションの確認を行うためにフリースキーで調整しました。ずらす操作やカービングの操作など行いました。このシーズンインの時期、凄く滑りたいと思うでしょうが、新しいマテリアルも変わっている方もいらっしゃるので、ロースピードで足場固め、地盤を固めることが大切です。自分をもう一度組み立てなおす、その方向で取り組むと良いと思います。
  今回、ずれるスキー操作の中では、自分から乗ってスキーをずらすのではなく、最初から傾けてしまってずれをうまく使えなかったとか、前後の動きが大きすぎて体がおきてしまうとか見受けられました。ぜひ意識してトレーニングしていただきたいと思います。


柏木ナショデモ

松田ナショデモ

◆全日本コーディネーションコースでの感想は

松田

今年の鹿沢は非常に条件がよく、リフト乗り継いで2本滑れる状況の中で、トレーニングしましたが、踏み上げが多かったです。(リフトは何本ですかの質問に、初日3本、2日目3本です)
  いままでの活字で見ている技術的に理解をしてからというパターンから、内面的な、筋力を使わないでリラックスというところが印象に残っています。私は力むタイプなので。ゆっくり滑る中でのブーツとの関係など整理ができました。

柏木

3年前にデモンストレーターになりまして、いままでは説明が理解できないまま研修会に入ってしまい、スキー運動を物理的に解析、表現しなければいけないということがありましたが、今回は、自分の上達のヒントや、実際の滑りの中で必要なポジション、ブレーキングから滑走性の良いターンなどの身体のポジショニングの使い方、停まっているところからパラレルまでの発展まで追いかけて行っているので、自分なりにはわかりやすい研修会でした。出来るだけリフトを使いながらすすめてみたいと思います。

伊藤

今回は、午前午後同じ内容を4回繰り返し行われたことが印象的でした。ある程度、乗っているときのポジション、操作については、1回では理解が出来ないので繰り返したのだと思います。これは、オフィシャルブックの20ページから35ページの内容です。実技の方では、この内容が頭にこびりついていますので、目を通してください。


柏木君には板を踏まれて

集中していて気がつきませんでした

◆技術選での集中力について

伊藤

技術選で上位にいる選手ですので、話を聞きたいと思います。柏木君には、チャンピオンになった時の集中力、滑る時のイメージの作り方を聞きたいと思います。
  私が技術選に出た時、柏木君はちょうど私の前にいたのですが、非常に落ちつきがなく、周りの人のスキーを踏んでいても気がつかない、でも集中してチャンピオンになったのです。

柏木

今の話は99年の初優勝の時の話なのですが、たぶん私は無防備に突っ込んでいくタイプに見られているようですが、結構、ウエーブの処理とか入る角度とか、全てのウエーブに入る角度を決めていますので、スタート前には全部決まっている状態です。その時に、周りが見えないくらい頭の中で滑ってからスタートします。それで敦さんの板を踏んだのも気がつかなかったのでしょう。敦さんも高得点を出していて、それで私も調子が出て、優勝させていただきました。

伊藤

役に立てて光栄です。集中する時のスタートに仕方ですが、緊張をほぐすために身体を動かしたりしますが、柏木君の場合は、よく話しかけてくるのです。こちらは黙って集中しているのに、敦さん、敦さん、これ緊張してくるから、話しかけてくるんだけど、あまり人に迷惑をかけてほしくないなぁと、ちょっと思いました(笑)

松田

スタートの話なのですが、選手には身体から湯気が出るほどウオーミングアップする人もいれば、黙って集中したい先輩みたいな人や、隣にいる話しかける人や落ち着きのない人など、いろいろな集中の方法があります。昔、初めてでたころは、競技の延長線上で考えていたので、結構入念にアップしました。しかし競技は2本滑ればいいのですが、技術選は4本滑らなければいけないので、4回テンションをあげると、最後はすごく朦朧(もうろう)としていました。それからはペース配分もわかってきて、あんまりがむしゃらにはならないである程度ポイントを抑えて行くようになりました。ウスバのウエーブの話もありましたが、私も滑る前からイメージが出来ています。ただし、イメージ通りには行かないのが難しく、だんだんイメージしたラインからあふれていって、だんだん下になって気がつくとジャンプしていることがあります。

柏木

大会の1週間前、大会想定して練習を始めますが、ビブを着用して滑っています。常に大会のイメージをしています。


デモ選は苦労しました

プルークをもっと練習しろと言われて…

◆デモンストレーター選考会の印象

松田

ずいぶん前なのですが、初めては田沢湖でした。準決勝の点数を持ち越しのまま、17番ぐらいであわよくばと思っていますが、1つの種目だけで落ちた経験があります。それはシュテムターンでした。それが悔しくてものすごく練習をしました。その時にシュテムターンが一番良かったのは一樹さんですが、1日教えてくださいと頼み込んで教えてもらいました。その時は、ゴルフバックの中に入れるネット(ネトロン)を身体の中心、肩、背中にも貼られて、手の幅も決められて、それでリフトのって練習しました。他の人から見たら何をやっているんだろうと。ひたすら練習して、2年後の八方ではシュテムターンは良かったのですが、また違う種目で、1〜2位たらずでだめでした。
  次の時からは、面接が入りまして、聞かれたことに対してガーンと言ってしまって…、その次は筆記試験があって、僕は最初からやらないと気がすまないタイプで、1問目に沢山時間を使ってしまい、ずっと手に汗をかいて、ほんとうに緊張しました。

柏木

技術選に2回目優勝した時、デモ選に出ろといわれていたのですが、デモ選は与えられた課題をジャッジに見せて演技する自信がなかったので辞退しました。次の野沢で満を持して出たつもりでしたが、プルークが滑れなくてだいたい280点前後のところ250点ぐらいでショックを受けたことがあります。その時なんとかデモになりましたが。
  今2期3年目ですが、デモ合宿やコーディネーションコースへ行くと、やはり敦さんや若月さんなど見やすいのです。そういうデモになりたいのですが、なかなか練習の時間がないのが実情です。一樹さんからはもっとプルークをやりなさいと言われて、1週間練習してきました。

伊藤

競技の選手をしているなかで、デモ選考会を受けたので、プルークなど真似事で受けました。その時は選考されたのですが、一度、デモを2期やって、デモ選を落ちたことがあります。その時に気がついたことは、勉強して頭で理解したことを見ているので、真似事だけではだめだということです。その2年間で勉強する機会を与えられたと思います。これから日本を背負っていくナショナルデモンストレーターの方には勉強してもらいたいと思います。


切り換えの感覚は

ステップしないように

◆質問:滑っているときの感覚、トップコントロールのニュートラルゾーンの感覚

柏木

切り替えし、2年ぐらい前X脚になるといわれて技術選を2回ぐらい負けたのですが、切り返す時、外スキーを常に滑らして、そのまま外スキーで切り替えしてしまうと、重心移動が出来ないので、切り返す時には、ターンの外足が次のターンの内足になります。いままでは外足から外足に重心移動、外から外に動かしていたので、今は、外足から次のターンの内足になるところまで自分の足で動かして切り返ししています。足裏で。ターン前半トップ、つま先で荷重したところからターン後半踵荷重になりますが、そこから次の外足に移ってしまうのではなく、踵になったところからそのまま次のインサイドスキーの小指側のほうへぐーっと返しながら、山側への重心を谷側に落とすところまでをやっています。実際に外スキーに力がかかりだしたら、次の外スキーの方にバランスを取るために踏むようにしています。
  ですから外足から外足に切り替えしていくのですが、切り返す局面では、その外足が内足になるところまでを足の裏で返しています。自分の感覚ではニュートラルゾーンをあまり意識はしていないのですが、ターンの後半は少し下を向くように胸の向きをセットしています。それは、外向をだすのではなくて、下向きというポジションがスキーの面が変わったときの次のターンの内向内傾になっていくところなので、ターンの後半に次のターンの前半部分が出るように、ターンの後半になってくると次のターンの準備段階、予備動作が起こすようにしています。実際、スキーの面が変わってから内向内傾していくところになるので、ターンのところから内向きとか傾きを作っていくのではなく、前のターンの後半にそのポジションがでるようにイメージして滑っています。

松田

条件、緩斜面、急斜面、雪質、スピード、スキーのサイズなどなどで微妙に異なってくると思います。条件状況で、常に安定したポジションを作れるようにだけ意識しています。
 今日も紹介したのですが、ターンの後半のポジションが前半のポジションを決める、後半のポジションというのは次のターンに向けての準備の動き、切り換えていくぞという準備が後半で出来ていないと、スムーズな切り替え、次のターンの内側に想定したところには移動できないと考えています。かなりここ最近、ターン後半のポジショニングの認識をおいて、そこからどういう風に、そういう方向に、どのくらいの量移動したらよいかを的確に出来るようにだけ注意してトレーニングしています。

伊藤

私に場合の切り替えですが、ステップしないように注意しています。スキーガイドブックが発刊されましたが、シュテムターンの写真が私で、次にパラレルターンで滑っているつもりが、発展するとステップターンになりますと解説がありました。
  引き上げないようにするための方法ですが、 外足の角付けを雪面から上げないようにそのままダイレクトに次のインスキーのアウトエッジを使っていくということを心がけています。


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