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スキー指導員養成講習会(理論3) 宮崎 弘一 広報委員 |
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◎平成24年度 スキー指導員養成講習会 理論(第3回) 11月10日(土)、横浜市従会館で今年度3回目の指導員養成講習会(理論E)が午前中に、開催されました。
<役員による事前準備> 担当役員により、会場準備を整え、ミーティングを行い、役割分担を確認しました。
<開会> ◆ 片SAK副会長あいさつ
間違いではない。(大笑) 正指導員を受ける方は、既に指導活動をしているのですから、それほど心配せず、自分の滑りに自信を持って滑ってください。理論についてはSAJのHPで出題傾向がわかりますので是非勉強してください。 11月4日、川崎で開催された指導者研修会に猪谷千春さんが来賓として来てくださいました。1956年のコルティナダンペッツォオリンピンク大会に出場して、男子回転で、銀メダルを獲得しました。これはテストには出ません。(笑)猪谷さんは幼い頃、内足を軸にして、そしてスピードを求めるようになったら、外足に9割を加重して回るようになったと、仰いました。ここがポイントです。昔も今も共通する点があるということでは、非常大きな成果であったと思います。 養成講習会の講義のようになってしまいましたが、皆さんには全力で取り組んでいただきたいと思います。我々も全力でジャッジしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 ◆ 上田SAK専務理事あいさつ
脳科学者の茂木健一郎さんによれば、「強化学習」すなわち、何らかの行動によって脳が「喜び」を感じたときに、ドーパミンと呼ばれる快楽物質が分泌され、「快感・快楽」をもたらす。その時、脳はその快感をもたらした行動をよく覚えていて、また同じようにその快感を再現しようとする。これを学習と合わせると上達が早い。楽しんで上達する。楽しかったことや褒められたことがきっかけでその分野が興味を持ってどんどんできるようになっていく。雪上もそうです。この理論の勉強もそうです。さきほど片副会長の話にあった西高東低もスキーと結びつけて考えたりすればより記憶に残るし、自分のものになる。是非このような勉強をしてください。雪上でも同じです、指摘され、駄目だと思いながら、自分で鞭を打ってやるよりは、楽しいなと思ったり、自分の目標を少し超えたりしたら、自分を褒める。これが一番の学習法だと思います。 ある研究機関の共同研究で、“人は褒められると上手くなる”、このことが科学的に証明された記事が掲載されていました。本日午後、準指導員の理論検定がありますが、滑ることは楽しいのと同様に、理論検定もそのひとつと考え、自分を褒めながら前向きな気持ちになってがんばっていただきたいと思います。 ◆県連役員紹介 執行責任者 片副会長、上田専務理事、岡田本教育部長 理事 佐々木理事、中村理事、藤田理事、高柴理事、佐藤理事 専門委員 金子専門委員、岡本専門委員、田村専門委員、富川専門委員 広報委員 宮崎広報委員 進行スケジュールより 司会は富川専門委員 午前 講義1 理論検定事前講習(金子専門委員) 講義2 理論検定事前講習(田村専門委員) SAK北海道スキーツアーPR(高柴理事) 庶務連絡(佐々木理事) 午後 検定注意事項説明(佐々木理事) 準指導員理論検定 13:10〜14:40 庶務連絡(佐々木理事) ◆ 講義内容 講師の方々のお話は、午後の理論検定会の出題傾向を意識した内容となりました。 特に印象に残った点は次のとおりです。 講義1
○スキーは重さで滑る。(3回繰り返しました。)両脚で滑る。谷回りで滑る。谷回りにおいてスキー板の動きをターン内側に変えていく力。内脚主導により導かれる。ターン内側の股関節の屈曲及び外旋がターン内側へと重心を移動させ、その結果起こる加重移動によってスキーの板の回転を導くこと、谷回りにおける重要な局面はニュートラルポジション。ワイドスタンスのニュートラルポジションにおいて谷側に回るスキーの板と斜面への角づけ、角づけ角が等しくて角づけの方向が逆である。フェイスコントロールとは板の面のコントロールのこと。 ○検定員制度についてはその制度の内容、それぞれの役割、検定できる範囲、A〜C級の違いなどを理解してください。スキーの普及振興に努めること公平な評価ができることも大切です。 ○運動の要素、空間的調節(スペイシング)、時間的な調節(タイミング)、力の調節(グレイディング)の用語の理解をしてください。 ○ハンディキャップ委員会について、平成14年から障害を持つ人のスキー教室として年2回実施している。ハンディキャップのボランティアにも協力をお願いしたい。 ○県スキー連盟の目的、検定員制度の役割、スキー検定はスキーヤーの目的や志向により、指導者検定とバッジテストの2つに分かれる。 ここまで「自然で楽なスキーのすすめ」「スキー指導と検定」がベース。 「安全編」の話 ○スノースポーツを取り巻く環境 「1:29:300」とは、その内訳として、「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には、29件の「軽傷」を伴う災害が起こり、300件もの「ヒヤリ、ハット」した傷害のない災害が起きていたことになる。 ○スノースポーツのリスクマネジメント 3つの要因 転倒、衝突、転落。 間接的な要因をなくすことで事故が減らせる。 ○スノースポーツの障害の実態 スキーとスノーボードのほうが若干多い、SAKではヘルメット着用を推奨している。 スキーヤーは下肢、特に膝、スノーボードは手首、腕、肩が多い。 ○セーフティルール 他の人を尊重、スキー・スノーボードのスピードのコントロール、ルート選択など。 ○冬山の気象 経験から天候を推定することを望天望気という。せっぴ、滑落、雪崩の理解を! 標高100mごとに0.6度下がる。風速が1mで1.2〜1.5度の体感温度が下がる。標高が2,000mを超える山で、日本海側では、西ないし北西の風、太平洋側では、北西または北からの風になる。太平洋側と日本海側では若干風の向きが違う。沢筋では、沢に沿って風が吹く、尾根では尾根に対して直角に吹く。せっぴも尾根にできる。日中は谷側から風、夜中から夜明けは山から風が吹く。風速が20m以上になると地吹雪になる。地吹雪が強くなるとブリザードとなって視界が見えなくなる。目安として1km以内はガス、霧、1km以上で靄。霧やガスで平衡感覚がわからなくなることをホワイトアウトという。 講義2
○スキースポーツの歴史について ポイントは、オーストリアがシュテム技術、外向外傾。フランスがローテーション技術。 日本はオーストリアのスキーを手本にしてきたことなど、歴史については一連の流れを理解しておくことが大切。 ○指導技術について スキーの指導の要点…パトロール(PATROL)しよう。結果ではなく、経過を重視しましょう(Process)、承認しましょう(Acknowledgement)、一緒に楽しんで考えましょう(Together)、尊敬しましょう(Respect)、よく観察をしましょう。(Observation)、話をよく聞きましょう(Listening) ○評価とその活用…3つの評価(診断的評価、形成的評価、総括的評価) 絶対評価、相対評価、個人内評価も! ○トレーニング論 ローカルスタビライザーとグローバルスタビライザー、モビライザーという概念についてそれぞれの筋組織が異なる役割を果たしている。 ○競技について アルペン=スピード系(滑降、スーパーG) 技術系(大回転、回転) ノルディック系(クロス、ジャンプ、コンバイン系の総称) フリースタイル系(モーグル、エアリアル、スキークロス) ○スキーマテリアルについて ロッカースキーとは、トップの部分の摩擦抵抗が減少、谷回りが行いやすい。接点が長くなり、安定性が向上する。(新しい用具の理解を!) ○安全編について バックカントリーにおいて、ビーコン・ゾンデ棒・シャベルは「三種の神器」とも呼ばれています天気図(天候)2つの気圧配置 爆弾低気圧、西高東低など押さえてください。 冬山の天気…雪崩、ツリーホール、せっぴ、クラックなど。 雪崩について雪崩の分類、名称なども覚えておいてください。 ◆ 庶務連絡 レポートの提出について 1 レポート内容 (1)公認スキー指導員・公認スキー準指導員受検者 理論編と指導編の2種類、下記4テーマについてレポートの提出をお願いいたします。 (理論編)@自然で楽なスキーの指導体系について あなたの考えを述べてください。 A自然で楽なスキーのコンセプトについて あなたの考えを述べてください。 (指導編)@スキー指導方法の基礎について あなたの考えを述べてください。 A安全・安心の用具選びについて あなたの考えを述べてください。 (2)認定スキー指導員受検者 @あなたが認定スキー指導員を受検しようと思った動機を述べてください。 A初心者・初級者に対する安全なスキーについてあなたの考えを述べてください。 2 提出期限 (1) 公認スキー指導員受検者(初回受験のみ)、公認スキー準指導員受検者全員 平成25年1月29日(火)19:00事務局必着 (2) 認定スキー指導員受検者全員 平成25年3月1日(金)、2日(土)検定受付時 デジエントリーについて 行事の申込みに際し、デジエントリーを原則、推奨します。登録番号がなくとも申込み可能です。 午前中のスキー指導員養成講習会(理論) は終了。 ◎平成24年度 スキー準指導員理論検定会 引き続き、同日午後より、スキー準指導員理論検定会が開催されました。 ◆ 岡田SAK教育本部長あいさつ
我々の皆さんに合格してもらいたいとの一心でやっておりますので、もし疑問点があれば講師へ質問してください。スキンシップのある講習会を目指しておりますので、積極的にリフトにも講師と一緒に乗っていただきたいと思います。 3月に検定会が始まります。検定会では準指導員検定会、認定スキー指導員検定会、B・C級公認検定員検定会の3つの検定会を同時開催します。検定会の最中に皆さんのクラブの方々が応援に来ると思いますが、その気持ちに応えて一発で合格してやる、一回で合格してやる、今年こそ合格してやるという気持ちでがんばっていただければと思います。検定会の実技の最後に制限滑走があります。制限滑走はデュアルレースを予定しています。得点方法については検定委員会で検討中です。養成講習の中でもポールの練習ができるようセッティングする予定です。 これから始まる理論検定会、落ち着いてがんばっていただきたいと思います。 このあと、佐々木理事より検定にあたって注意事項の説明がありました。 検定開始13:10 検定終了14:40
検定中、受験生から問題に関する質問がいくつかあり、適宜、タイミングをみて、検定委員会のメンバーの方々が回答する場面がありました。 ◆ 片SAK副会長による閉会のあいさつ
最後に、佐々木理事より、検定試験問題にいくつか誤字、脱字、また内容についてご質問がありましたこと、検定委員から聞いております。これらについてはお詫び申し上げ、今後の検定会にこのようなことがないよう、来年度以降十分に注意したいと思います。今日はほんとうに長丁場でしたが、どうもお疲れ様でございました。
理論試験終了後にインタビュー Q:準指導員の受験は初めてですか?本日試験の感想をお聞かせください。 A:男性の受験者:初受験です。試験内容はあまり難しいとは思いませんでした。 1回で合格できるようがんばります。 Q:本日の試験はいかがでしたか?実技検定に向けてどのような気持ちで臨みますか? A:女性受験者 勉強していればできたと思いますが、…。難しかったと思います。 上手くなることはもちろん、自分の力を出しきれるようがんばりたいと思います。 最後に、検定会の当日は、受講生の皆さんすべてが、理論と実技講習で培った自分の思ったとおりの滑りができることを願っております。がんばってください。 |
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