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スキー指導者、認定スキー指導員養成講習会(理論2)
安全対策講習会


2013年10月13日(日) 横浜市従会館
広報委員  桂林 正彦


満席の会場

安全対策講習会 上杉 安全対策専門委員

受付の様子

司会の加藤専門委員


  平成25年10月13日(日)10:00〜15:30 横浜市従会館にて平成25年度のスキー指導者養成講習会(理論2)が開催されました。午前中に行われた安全対策講習会は養成講習会を兼ねていましたが、協会クラブ指導者の参加募集行事として行われました。

  今回の講習会は、3回開催される理論講習会の第2回目です。会場が前回より広くなったせいか座席に少し余裕があります。前回の講習で制度変更の内容が明確になり、受講生の表情にも明るさが感じられます。

■あいさつ 佐藤SAK副会長
  随分古くなりますけど、私も準指を受け、正指を受け、今日まできました。その過程で色々大変だったなと思いだしています。それを乗りきって成果を出していただきたいと思います。
  指導員とは何だろう。一定の基準を超えると合格するわけです。自分の技術が人様に見せて恥ずかしくないだろうか。こういうところが境目になります。皆さんにはこのプレーヤーとしての条件が1つあります。それからインストラクターとしての条件があります。それは、いろんな意味で幅広い知識が必要です。話術、態度などが役割の中に含まれます。雪上で延々と話をしているひとにはいいかげんにしろと言ったりしますけど、滑って見せてポイントを上手に語れることがインストラクションです。これは、雪上だけでなく生活の中のインストラクションも含まれています。
  3つ目がマネージャーです。スポーツ団体は優秀な選手が上部に上がっています。たとえば、柔道連盟の副会長は金メダリストです。こういったひとが組織をひろげているのです。皆さんが合格のあかつきには、この3つ目のマネージャーの仕事も含めてご協力をいただきたい。今日は1日大変ですけどがんばってください。

■あいさつ 岡田SAK教育本部長
  検定に関し、今年は大幅な改定がありました。新たな気持ちで取り組んでいただきたいと思います。雪上に関してはこれから皆さんと一緒に講習会を重ねていくわけですが、スタッフの理事もしくは技術員が担当させていただくことになります。理事、技術員は皆さんと同じように準指導員、正指導員という難関を突破し、ほとんどが技術選で戦ってきているなどいろいろな経験を積んできたスタッフ揃いです。そのスタッフの熱意をもって皆さん方に講習を行います。
  今いろんなところから情報を入手することができます。皆さんのお手元にある「指導と検定」、「オフィシャルブック」にナショナルデモの写真が載っています。我々スタッフもそのデモの滑りに近づけるように日々努力しております。同じスキーの仲間として、仲間作りをしてよい結果がでればと思います。皆さんの笑顔を期待しております。


■安全対策講習会、講義(1)(2)安全対策 part1 上杉 専門委員
  このパートは、「スキー教程安全編」に基づいて行います。最近スキー場で使用されている用具はいろいろなものがあります。また、スキー場もハーフパイプなどいろいろなものが出ています。その中でスキー場での怪我が絶えることがありません。ましてや、昨年は受傷率が増えています。入場者数は下がり続けている中で、良くない傾向です。受講されている中で既に指導されている方もいると思いますが、やはり、スキーは怪我をすると面白くなくなってしまいます。スキーに出かけてから家まで無事に帰るということが、スキーのリピーターを増やすことにもなります。
  スキーは自然環境の中で行うものですから、危険が常に潜んでいます。その中で起こるべくしておこった事故というのが多いことが分かります。油断と自己過信は禁物です。
起きてからでは、反省だけでは済みません。今までは自分だけ気を付けていれば良かったのですが、指導者になったら受け持った方のことも考えなければなりません。
  スキー場は、テーマパークではありません。冬の自然環境ですから、講習する時のまわりの状況も考えるということを学んでください。
  スキーの面白さは、スピードとスリルです。安全を重視して萎縮することのないようにしてください。ヒヤッとした経験を無視してはいけません。ハインリッヒの法則、1:29:300を、覚えておいてください。1件の重傷に対して29件の軽傷がありさらに300件のヒヤッとした経験があるというものです。
  事故発生のメカニズムですが、まず、間接的要因それから、直接的要因、ロスという発生メカニズムになっているということを理解して下さい。これから指導者としての責任を負わなければならないこともでてきますので、そういったことも理解して下さい。用具別事故率は、フリースタイルのボードが一番多くなっています。受傷率の推移は、低下傾向だったのですが、昨年は増加しました。スキーにくらべてボードの方が多いのですが、両方増えています。整地の中斜面での事故が一番多いということも覚えておいてください。どのような怪我が多いかというと、スキーは膝が33.3%、ボードは、肩が22.4%で一番多くなっています。スノーボードの方が倒れて肩を押さえていたら、肩の脱臼を疑ってください。
  スピードをコントロールできるようになればスピードも出せるようになります。斜面、状況、技量など考慮して指導してください。指導者としての責任がかかってきます。スキー場まで救急車は来てくれません。パトロールが来るまでの対応を考えておいてください。二重事故防止、保温など自分だけでなく周りの人に指示することも必要です。
  冬山の気象、標高が100m上がると0.6度、風速が1mで体感温度が、1.2〜1.5度さがるということは覚えておいてください。濡れている場合は、体感温度は極端に下がります。風は、標高が上がるほど強くなります。標高2000m以上では、日本海側は、西もしくは北西、太平洋側では北西ないし北の風が吹きます。沢では、沢に沿って、尾根では尾根に直角に吹きます。こういったことも覚えておいてください。地吹雪ですが、風速が20m/s以上になると視界が奪われます。これをブリザードと言います。霧ですが、視界が1km以内なら霧、ガス、1km以上はもやといいます。平衡感覚がなくなる現象を「ホワイトアウト」といいます。
(最後に、誰にでもできる簡易救急法、雪盲(目のケガ)、低体温症、準備体操、AEDについて、説明がありました。)



吉田 専門委員

佐々木 理事

■講義(3)スキー指導と検定 part2 吉田 専門委員
  スキーの古本を探すのが趣味の少し変わった専門委員です。「スキー指導と検定」の16ページを開いてください。4500年前ごろの地層からほぼ今のスキーと同じ形状のスキーが発見されました。スポーツとしてのスキーが発展していったのはノルウェーです。主に移動手段として使われていましたが、その後、馬を使った移動手段に変わっていったのでスキーは衰退していきました。19世紀の半ばに兵士の士気を高めるためにスキージャンプの大会が行われました。その時優勝したのが、テレマーク地方からきた少年で、記録は23mでした。
(以下、指導と検定をもとに講義が行われ、特に重要と思われる部分がキーワードとして示されました。玉川学園の学長が、ハンネス・シュナイダーを日本に招いたときの興味深いエピソードの紹介もありました。)

■庶務連絡 佐々木 理事
  レポートのテーマは、今検討しています。ホームページに掲示しますので、チェックをお願いします。



株)ノースブレインの佐々木氏

株)日本旅行の後藤氏

【協賛企業紹介】
  ノースブレインの佐々木氏による取扱商品の説明、高柴理事の北海道行事紹介に続いて、日本旅行の後藤氏による北海道ツアーの説明がありました。



中村理事

岡本専門委員

■講義(4)オフィシャルブック 中村 理事
  講義の内容は、「オフィシャルブック」2014年度研修テーマについて説明します。
「研修テーマ制定にあたって」、プルークボーゲンから基礎パラレルターンへの指導の展開、テーマの確認と実技の運動要素について簡単にご説明します。この部分が今年度の研修会テーマの根幹となる部分ですので、しっかりと覚えておいてください。そして指導の展開のねらいとして、3本の矢という新しい言葉があります。3本の矢とは、横滑りの展開、滑走プルーク、シュテム動作です。最後にこの段階での目的となる基礎パラレルターンで研修テーマ終了となります。(この後、P.51をもとに説明が行われました。)   昨年度までのハイブリッドスキーから大きく転換しています。大きく転換していると言っても同じような道具を使ってスキーをやるわけですから共通点は、見いだせると思います。技術を習得するにあたって、これから先もいろいろ変化していくと思います。新しい教材についてしっかりと学習していただきたいと思います。(この後、P.52〜63をもとに説明が行われました。)
  この中に正指導員を受検されるかたもいらっしゃると思いますが、スキージャーナルから模擬問題集が出ています。今回改定になっているのは、指導論と指導方法論だけですので、この模擬問題集が参考になると思います。それから、毎年1月の10日から15日に、SAJのホームページに設問集が掲載されますので、こちらも参考にされるとよいでしょう。

■講義(5)スキー指導と検定 part3 岡本 専門委員
  「スキー指導と検定」のP.82から講義をさせていただきたいと思います。ポイントとなるところは、「スキー指導の基礎と原則」にある3つの志向、@健康志向のスキー、A斜面克服志向のスキー、B競技志向のスキーで、目的が分類されていますが、重要なのは、次の「生活文化としてのスキー指導」にある、「スキー指導の目的は、・・・スキーに参加するスキーヤーを育てる」というところです。(この後、P.83〜103をもとに説明が行われました。)
P.104「基準による評価の分類」、絶対評価、相対評価、個人評価は、重要な所です。
指導方法論の所は、今回薄くなっていますが、内容が濃く一文にまとめられていますので、勉強していただきたいと思います。



田村 専門委員

森本 教育副本部長

■講義(6)スキー指導と検定 part4 田村 専門委員
  「スキー指導と検定」のP.33チャプター3の講義を行います。P.34,35「指導の展開」は重要ですので、できれば丸暗記して欲しいのですが、3本の矢と2本の矢、そして検定種目として、どの段階が使われるかよく理解してください。
  P.36初歩動作の展開は、認定指導員受検の方に重要になります。この部分をよく読んでおいてください。この図では、「プルークボーゲン(制動)」が重要です。
  P.39「推進滑降」、P.42 「初歩動作の指導」2、P.45 「ターン外側・・・」が、重要です。
P.48,49「基礎パラレルターンへの指導の展開」は、「オフィシャルブック」とかぶりますが、特に重要です。パラレルスタンスが横滑りの導入、プルークスタンスが滑走プルーク、ステム動作がシュテムターン、この流れをよく頭に入れておいてください。そして、この3本の矢が基礎パラレルターン小回り、基礎パラレルターン大回りにつながるということです。(このページの)上の方にカービングの2本の矢が示されています。速度推進と速度制御が、重要ですので覚えておいてください。エッジングを強めるということが、今回カービングと定義されています。従来よりも幅広い意味で使われていることに注意してください。
(この後、「スキー指導と検定」P.50〜81をもとに説明が行われました。)

■閉会のことば 森本 SAK教育副本部長
  皆さんお疲れ様でした。今年初めての方も、何回か受検されている方も1回受検されたら合格するまで続けてください。途中でおやめにならないようお願いします。スタッフも合格までご協力申し上げますので、ぜひとも最後までがんばってください。

■庶務連絡 佐々木 理事
  1. 北海道スキーツアーで、早目に体を動かすのは良いことです。札幌プリンスホテルに温泉があると説明しましたが、 温泉は別料金ですので、ご了解ください。
  2. 単位受検の方で、願書が出ているのに講習会に参加していない方がいらっしゃいます。 もし、こういった方がいらっしゃいましたら私(佐々木理事)に連絡してください。
  3. 今年の準指導員の理論検定は、記述式ですので教材をよく読んでおいてください。
■セミナーの案内 中村 理事
  再来週の10月26日、準指理論検定が終わったあと、4時から同会場で三浦市スキー協会主催の全日本ナショナルデモンストレータ丸山貴雄氏のテクニカルセミナーが開催されます。会費は、1000円です。ぜひ、ご参加ください。



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