HC委員会 越前谷委員長インタビュー

09シーズンを終わって

 障がいを持つ方々のウィンタースポーツを支援する目的で、今年度もハンディキャップ委員会は活動を展開し、多くの参加者より、感謝の声をいただきました。これもひとえにご協力をいただいた、多くのポランティアの皆様と「善意の賛助会費」をお寄せくださった皆様、県連の各本部の関係者のご協力の賜と感謝申し上げる次第です。

 これまで進めてきた、障がいを理論的に理解する為に実施してきたセミナーを一歩進めて、昨年度から1つ1つの異なる障害の理解を深めるために「T 障がい者のサポート(座学)」と「U 雪上での指導実践(実習)」というテーマA(知的・肢体障がい)、B(肢体障がい)、C(聴覚・視覚障がい)を設定し、全てを受講すると公認「ハートフルサポーター」修了証を発行することにしました。

  今年度の「セミナーT」は、肢体障がいを中心にしたテーマBの内容で実施しました。今回もNPO法人日本プレジャーサポート協会理事長、馬場賢親氏を講師に迎え、2009年11月8日(日)横浜三ツ沢の神奈川県立スポーツ会館で、テキストを使って障害全般の座学、車椅子を使っての室内・館内での移動、段差・ドアの開閉、エレベーター・トイレの利用、椅子・車椅子の移動、屋外での移動。スロープ、歩道、横断歩道、コンビニなどでの援助の仕方。椅子⇔車椅子の移動の援助、車椅子を押す速さ、声のかけ方、スロープでの車椅子の向きなどの実践的な講習を行いました。

 次に、チェアスキー・バイスキーのリフト乗降の仕方と椅子部分の上下動の仕組み、アウトリガーの扱い、落下防止のための注意点など。援助者に対しては、チェアスキー等の持ち方、ベルトの締め方、転倒時の起こし方など、疑似体験を交えての実践的な研修がなされました。参加者はまだまだ少ないですが、日常的な場面での障がい者に対するサポートにも役立ちますので、是非たくさんの方の参加をお願いできればと思います。

 「セミナーU」は、2010年1月22日(金)白馬五竜スキー場において、午前中に基本操作、サポートについて室内講習と雪上講習を各1時間、午後に2時間半の雪上講習を行った後、認定書の交付式を行いました。
この講習は、秋に行われた「セミナーT」《実技・チェアスキー・バイスキー》の「現地体験版」に当たります。5人の講師のもと、12名(うち委員6名)の参加者は、朝9時から午後3時過ぎまでチェアスキー・バイスキーの移動、試乗、滑走のサポート、リフト試乗体験など非常に内容の濃い指導をしっかりと受けました。
この成果を踏まえて、「第15回障がいを持つ人のためのスキー教室」が参加者総勢43名(理事、委員、ポランティア19人を含む)で、1月23日(土)24日(日)に同スキー場で引き続き実施されました。

 さらに「第16回障がいを持つ人のためのスキー教室」が、3月27日(土)28日(日)に車山高原スキー場において、参加者50名、介助、ボランティア、家族含めて総勢107名という盛況の中で開催しました。教室ではバッジテストも実施し、知的、肢体(チェア)、家族の合格者が満面の笑顔で賞状を手に記念写真に納まっていたのがとても印象的でした。どちらの教室も、障がい者の方々の生活の中の楽しみの1つとして、着実に定着しつつあるという手ごたえを感じています。

 一方、競技を目指す方々には、競技本部の協力のもと「第8回チャレンジカツプ(障がいを持つ人のための競技会)」が4月3日(土)4日(日)に、群馬県の鹿沢スキー場において開催されました。この競技会は、昨年度の白馬岩岳から鹿沢に移されたのですが、一般の競技者と同じコースを障がいを持った方々も同じようにタイムを競い合うという大会です。障がいを持った出場選手はSL6名(チェア5名、知的1名)、GS6名、延べ12名の選手(他に理事、委員3名、介助者2名参加)が出場して、熱戦を繰り広げました。GSは距離が短いため2本滑走、合計タイムで競いました。ゴール後参加選手のどの顔も、競技者としての喜びに溢れ、また次回のチャレンジを約束していました。

 これらの成果を踏まえ、他県連ではあまり例をみない特徴ある活動として、今後もハンディキャップ委員会委員一同、スノースポーツを楽しみたいという障がい者の方々の支援をすすめていく所存です。今年度のご協力のお礼を申し上げると共に、皆様の更なるご支援をお願いし、ご報告とさせていただきます。本当にありがとうございました。

 なお、平成22年度スポーツ振興くじ助成金の申請を行ったところ、約109万円の助成が内定しました。これにより、次年度のハンディキャップ事業は少し余裕を持った運営が出来るのではないかと考えています。今後もこのような財源を求める努力を重ねて参りますが、皆様のご協力、ご支援があって初めて円滑なハンディキャップ事業の運営が可能になると確信しておりますので、引き続きご支援をお願いいたします。