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指導員養成講習会・理論(2回目)


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スキー指導方法論1

◆松本SAJ専門委員

 SAJの専門委員としてスキー学校委員会を担当しています。スキー学校委員会といいますと、A校、B校、認定校などのスキー学校の認定と、 主任検定員の研修会の実施、先生方の大会(スキーアニバーサリー等)の御世話等をさせていただいています。

 今年は検定の改定の年です。特に実技については、全日本として皆さんにやさしく、受検しやすくしましたので、皆さんにとってチャンスだと思います。是非頑張ってください。

運動学習の基礎理論
 教本の10ページから(1)運動学習を取り巻く諸条件、(2)運動学習への期待、(3)自発的な運動学習、(4)技術習得にメカニズム、この4つの内容すべてに共通することは、指導者は、スキーを学ぼう、上達を願う人達のお手伝いをするということなのです。スキーを教えてあげているとんだと思っていたら、それは間違いです。一般的スキーヤーは、運動することで快適さとか、技術の獲得、健康感とかを覚えることが多いと思います。一方、スキー場や宿泊施設の雰囲気だとか、気の合った仲間との交流、日常生活と違ったファッションを楽しむスキーヤーも多いのです。このような多様化したスキーヤーに対して、指導側からみた技術レベルや指導レベルで勝手にクラス分けすることが良いのでしょうか。せっかくカップルでスキーに来てくれた2人も別れ別れ。スキーヤのニーズはなにかをよく理解しないといけません。パラレルが出来るようになりたい、林間コースを滑りたい等のニーズがあります。そういうニーズに合った人達を集めてやるのが良いと思います。それから、プルークボーゲン→プルークターン→パラレルといった順序だてた教え方ではなく、指導者が生徒に何をやりたいのかを問い掛けてみることが大切です。自発的に行うという、動機付け★が大切なのです。指導としては、何をどの順序で指導するのか、形式的な順序ではなく、生徒の上達段階に合わせて進めることが大切です。技術習得のメカニズムとしては、出来ない→出来るようになる→うまく出来るということになります。上達には、全体練習から部分練習、反復、フィードバックが必要です。特に、反復練習が重要です。ただし、同じ事ばかりはダメです。特に初心者は疲れやすいので注意してください。当然ですが、集中法、分散法★も大切です。

年齢とスキースポーツ
 
スキー人口が減少しています。スキー場ではスノーボーダーの方が多いこともあるようです。しかし、スキーで売上を伸ばしているスキー場もあります。ファミリー層に焦点を当てたり、子供の託児所を作ったり、中高年への対応を強化したり、駐車料金を無料にするなどです。特に、中高年のスキーヤーが増加してきました。連盟でも一所懸命取り組んでいます。中高年パワーは凄いです。スキーをやってきた人であれば、0.7掛のスキー指導が必要なのです。50才なら50×0.7=35才の運動能力と考えてください。決して老人扱いをしないことです。ただし、個人的な能力の差も有りますが60才以上であるとか、夜行で疲れている場合などは注意はしてください。「ガンバ!」という掛け声がありますが、わたしは「バカンス」という気持ちで良いと感じています。安全に楽しく、根性はムリのもとですから、十分注意をしてください。よく、外足に荷過するようにと言います。このような方々に説明するとき、荷重という言葉は難しいのです。荷重は力をいれる、つまり力みとなってしまいます。外の足に体重を乗せるという説明のほうがわかりやすいわけです。つまり青竹踏みのようなイメージです。また、子供の場合(6才〜中学生)についても同じ事が言えます。谷肩を下げて、谷スキーに荷重してと平気で指導する指導者がいますが、わたしは理解できないです。1つの工夫として、赤と青のテープをスキーに貼って、赤、青と声をかけてあげると、とてもわかりやすいと思います。色々話してきましたが、相手の立場に立った指導を行うことが必要となっているのです。そしてそれは、指導者自らが工夫し勉強しなければいけません。


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