指導員養成講習会・理論(2回目)
平成11年11月7日第2回指導員養成理論講習会が開催されました。
◆司会 加賀ブロック技術員 ◆挨拶 小林副会長 ◆講演 1、スキースポーツの社会的特性と指導者の役割 (クリック) 片常務理事 2、スキー指導方法論1 (クリック) 松本SAJ専門委員 3、スキー競技におけるルールと審判 勝又競技本部長 4、スキーの特性を生かした体力トレーニング 浜島SAJ専門委員 5、技術強化について 堀強化委員会副委員長
◆小林副会長 最近は少子化の傾向やスポーツ離れもあってか、スキー連盟の会員の減少もあり、厳しい傾向です。準指の受験については、毎年多くの方が受験していただき、今年も減少していないと聞いております。非常に喜ばしいことでありますが、会員は減少しており、振り向くと誰もいないなどということになりはしないかと心配しております。もちろん皆様方には資格を取っていただきたいのですが、クラブのリーダー的立場に有る皆さんでしょうから、是非スキー人口の拡大、特に初心者の育成に力を注いでいただきたいと御願いいたします。
◆片常務理事 受検への決断に感謝、環境整備をしっかりと 受検をされることを決断していただいた皆様方に、心から御礼を申し上げます。我々も精一杯頑張って、良い検定をしたいと思います。まず、受検を決断した皆さんには自分の身に回りの環境を良く整えるという事が必要です。当然ですがスキーに行く日数が増えます。その時の仕事とのかかわり、家族とのかかわり、友達との関係、そして資金計画の問題などがあるのです。良く計画をたてないと体力も資金も苦しくなり、3月の検定まで持ちこたえられないということも出てきます。環境整備は大切ですので、しっかり行ってください。
連盟の組織について 皆さん、それぞれクラブから参加されているわけですが、準指の検定では協会の誰それと見られます。指導員検定では、神奈川県の誰それと見られるわけです。資料に財団法人神奈川県スキー連盟の組織を書いておきました。22のスキー協会があります。この協会を加盟団体と呼んでおります。また、皆さんが入っておられるクラブ(169団体)は所属団体と呼んでおります。そして神奈川県スキー連盟は財団法人という独立したひとつの組織であり、財団法人全日本スキー連盟、財団法人神奈川県体育協会に加盟しています。そして監督官庁である、神奈川県教育委員会教育長の認可を受けているのです。さらに新しい組織としては横浜ブロック、川崎ブロック、県央ブロック、県西ブロック、湘南ブロックなど、協会が地域ごとにまとまったブロック制を、今年、評議員会の承認をへて作りました。今年は役員の改選があり、役員選出委員をこのブロックから選出していただくことになります。将来的には、ブロックから会長や副会長、理事などの役員を選出していただく考えでおります。さらには、ブロック単位で大会を行うなども考えております。みなさまがたはこれからの連盟を支えていただくわけで、是非組織をご理解いただき、協会、ブロック、県連に出てきて活動をしていただきたいと思います。 どのような指導員になりたいのか スキーのインストラクターになりたいという憧れは大切です。それをいつまでも持っている人は、良い指導員になれます。指導員といっても色々なタイプがあります。自分がどのタイプなのかをわかっていないといけません。 スキー技術は素晴らしいが人の前で喋るのが苦手とか、滑りはうまくないけど理論派であるとか、子供の指導なら情熱があるとか、もっと色々あると思いますが、これらのタイプを客観的に考えていただくことが大切です。ぜひ御願いしたいことは、指導員としてきちんと指導が出来なければいけないと言う事を頭においてほしい。そういう意味では、養成講習会などでブロック技術員から教わるわけですが、どういう教えかたをするのかを是非観察して、それは良かったのか、良くなかったのか、自分なりに吸収してください。そういうことを行っていくと、自然に生徒のことを考えた指導が出来るようになります。それこそが大切なのです。知名度の高いバリューのある先生になってほしい。あの先生に教わりたい、そういう先生になってください。タイプの目標をもってください。技術的な話しでは、カービングはもう主体です。積極的に対応してください。自分の滑りの弱点については分析して、そこを補強しなけれななりません。やはり指導員は言ったことと滑りが同じでなければいけません。理論と実践のバランスが必要で、絶えず勉強しないといけません。ただしスキーの技術は正しいとか正しくないとかではなく、今世界の動きはなんなのか、そういう吸収をしていただきたい。技術に正しいも正しくないもありません。 バランスのよい指導員となるよう心がけてください。
スキー指導者の役割とサービス★ 1、スキーの楽しさ、技能上達の喜びの教授を手助けできる指導者(リーダーサービス) 2、スキーに関する興味ある情報が提供できる指導者(インフォメーションサービス) 3、スキー場や関連施設の快適安全性が考慮できる指導員(エリアサービス) 4、グループやクラブの育成に指導助言できる指導員(クラブサービス) 5、参加意欲の出る行事やスキー教室の企画・開催のできる指導員(プログラムサービス) スキー学習における指導者の役割 1、学ぶ者の欲求に応じた「目標」の設定 生徒の立場にたつこと。10人生徒がいたら、2人は言う事をきかない。2人は全面的に協力して くれる。あとの6人はどちらでもない。したがって、言う事をきかない人をどうするのか? どうやってスキー技術を向上させられるのか。協力的な人だけでやるのはいけない。 そういう人が1級、準指に受かる。これはうれしいものです。指導冥利につきるということです。 2、目標の達成を目指す「学習計画」の立案 3、学習内容に応じて、効果的な活動が出来る 「条件」の整備 4、安全性の確保 5、楽しい学習雰囲気の盛り上げ 6、学習成果の「評価」 滑ってきて、何のコメントもくれない。これはつまらない。逆に長々としてコメントも困ったものです。 滑ってきたら、ワンポイントだけ言ってあげることが大切です。スキーというのは悪いことばかり コメントします。1日中悪いことばかり言われてしまう。3回に1回は誉める。そうするとレッスンに はずみがつきます。理論的なことは宿に帰ってゆっくりやればよろしい。 たゆまぬ技術の追求 ・滑る技術とスキー理論とのバランス ・滑れる指導員を目指す ・生徒との技術的落差があれば指導は優位 ・競技スキーも志向する スキー指導者の本来の役割 ・一時的価値 スキースポーツの本質的な楽しさはスキーという身体活動よって得られるものである。滑り降りることの快適さ、困難な状況への新たな挑戦、技術を習得し技能が向上することによる「自己実現」の喜び、その活動を通じて得られる健康的な活力や充実感、これらは本当のスキースポーツ体験によってのみ得られる価値である。 ・二時的価値 スキースポーツに付随する快適さ(二次的快適さ)を求めてきた人たちに対しても、一次的快適さを体験させ、スキースポーツのもつ豊かさに心を向けさせることである。