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車山X行事

写真:佐伯主任検定員 写真:雪上検定中、ジャッジ実技

>>> 佐伯主任検定員(つづき)

 検定員1人の持ち点は、各種目毎に100点あります。スタートからゴールまでの中 でミスを減点していくのですが、現実的にはそのような計算を短時間で行うのは不可能です。検定員はそれぞれ「滑りの印象」というのを持っているのです。1つは、自分の持っているシルエットイメージと受験者のシルエットをダブらせて比較するもの。次に自分がこの斜面を滑る場合には どういうスピード、弧で滑るのかというイメージと比べて、ジャッジしています。みなさんもこの印象点で点数をつけることに成ると思います。また、迷ったときはにどうするかがあります。69か70か迷ったら、70点をつけていただきたいと思います。迷ったら上の点を選択するということです。落とすための検定でもありませんし、それが次につながるのだと考えています。

◆検定の合格ラインの考え方
 合格ラインは、一般的に「レベル制」と「相場制」の2つがあります。レベル制ではクラブや協会あるいは主任検定員の考えているレベルで合否を判断します。基本的には毎年同じレベルを維持することになりますが、時代やスタイルと共に変化もあります。また、相場制では、1,3、5,7,10と言われる不文律があります。これは、受験者に対する合格者の比率のことを言っています。1級なら1割、2級なら3割というように、受験者がレベルを 作ることになります。それぞれの方法も、長い間には変動がありレベルも修正されていくのだと思いますし、それぞれのバランスも必要かと思います。いずれにしましても、検定の内容はクリヤーにやっていただくことが重要ですし、継続性も必要だと考えます。


写真:雪上検定中で説明する主任 写真:雪上検定中、滑りを真剣にジャッジする

◆級別テスト各級のレベルを簡単に言うと
各級のレベルについて、わかりやすく言いますと、たとえば2級を合格すると次は、1級の受験班に入るわけです。その時に遜色がないだろうか、技術的に落ちこぼれなく出来るか?という見方でレベルを判断する方法があります。1級のレベルはどうかと言いますと、神奈川の準指導員検定会で不合格となった方が神奈川の1級レベルであると、言える訳ですから、1級を合格した場合に準指導員の養成講習会で落ちこぼれなく一緒に滑れるレベルであるか?ということが判断基準になると思われます。また、各級とも技術のバンド(幅)があります。1級なら上は準指に近いレベルもあれば、逆に2級に近いレベルの方もいると思います。いずれにしても1級は1級です。 このとき誰が見ても1級だと思えるのは、バンド幅の中の8割ぐらいに居る方だと思われます。また、この幅は1級より2級のほうが狭く、3,4,5とどんどん狭くなるものだと思います。次に、各級に対するレベルの考え方なのですが、5級は板をハの字にして平らなところを転ばずに大体ターンが出来るレベルであれば良いと思います。4級というのは板を開いたり閉じたりしながらターンが出来るレベル。3級は外足一本に乗り切れるバランス能力があるかどうか。このレベルになると、内足が自由に操作出来る能力を持っていますので、パラレルターンが可能となります。2級は中ぐらいの斜面で小回りができるレベル。または、自分の意志でスキーをある程度自由に動かせるレベル。1級になりますと急斜面、コブなどで自分の好きなように弧の大きさを調整できる、 あるいはステッピングの様に加速もできるなど自由に動けるということです。最後に、準指のレベルは、指導の師範が出来るということなにです。見せる演技力、体の使い方と結果が生徒から見てわかることが求められます。また、正指導員は、人の滑りをジャッジできるレベル、つまり主任検定員ということです。これは滑る能力に加え知識も必要となってきます。

◆検定員・指導員としての能力を磨くこと
  みなさんは検定員となられてジャッジ権を持つわけです。クラブ・協会で各人のレベルアップをしていただきたいと思います。また検定員と同時に指導員でもあります。 師範の能力を高め、信頼される指導でスキー界の活性化に是非ご協力をお願い致します。


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