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準指導員合格への道のり
〜考えて滑ることの大切さと楽しさを感じつつ〜


ビブ38、大熊俊光


2017年3月5日、車山での合格発表。「ビブ38、大熊俊光」という声が聞こえたとき、喜びとともに、この挑戦を支えて下さった方々を走馬燈のように思いだし、感謝の気持でいっぱいになりました。所属する「いすゞ藤沢スキー部」関係者の方々には、願書提出手続きから始まり、雪上では、私に合わせた練習と滑りのビデオ撮りなど常にマンツーマンで御指導頂きました。また、藤沢協会の皆さんにも、シーズンインからずっとサポートして頂きました。県連の専門委員の方々には、養成講習会で一貫性のあるご指導を丁寧にして頂きました。そして、職場や家族も私のチャレンジを理解し、頻繁にスキー場に出かけていく私のことを許してくれました。本当に有り難いことです。他にも多くの方に支えられていたと感じました。

私は、いすゞ藤沢スキー部所属ですが、実はISUZUの社員ではなく、本業は相模女子大学小学部という学校の体育科教師です。この学校では、毎年小学5年生を対象としたスキー学校があり、3泊4日で戸隠スキー場へ引率します。この行事の充実、そして将来的には学校の中に「公認スキークラブの環境を作りたい!」という思いがあり、縁があっていすゞ藤沢スキー部に入れていただきました

実は3シーズン前から受検するつもりでしたが、スケジュールの調整がつかず、残念ながら2シーズン願書を提出できずにいました。しかしその間も「いつでも受検できるように、基本をしっかり!」という気持ちで練習しました。特に、クラブの年末合宿で片山秀斗さん(元ナショナルデモ)に2シーズン続けて指導していただき、片山さんが開講するスキー教室にも申し込んで何度か新潟に通いました。そして、今シーズン、職場の理解もあり、スケジュールが調整でき、いよいよ念願の挑戦となりました。

10月の理論から3月の実技検定まで、振り返れば全てが貴重な経験でした。全てについて語りたいところですが、ここでは実技練習を通して苦労したことや分かったことを述べたいと思います。

今シーズンの実技練習で苦労したことは、プルークを“誤魔化さないでやる”ことです。ここだけの話、体育教師なのに意外と体が硬いです。行きつけの整骨院では、筋肉量が多いので関節可動域を広げるのに苦労するタイプとも言われました。特に股関節が硬く、プルークは嫌だというのが本音でした。でも、そんなことは言っていられません。元々が頑固な体ですので何とかせねばということで、毎日ストレッチを40分位実践しました。すると気がついたことがありました。私は左足での踏みこみが弱い傾向があるということです。その原因は色々ですが、原因のひとつは左側の下半身が右に比べて硬いということでした。毎日続けることにより、少しずつ改善していきました。ここまで自分の体と向き合ったシーズンは初めてです。来シーズンの滑りに備えてストレッチは今でも継続しています。相変わらず硬い傾向は変わりませんが、より上を目指して続けることが大切だと思います。

そして、今シーズン特に分かったことは「考えて滑ることの大切さ」です。もっと言えば、“目的や状況に合わせて意図をもって滑る”ことが大事で、それが楽しいということです。養成講習などで講師の先生から「検定種目を直接追うのではなくて、スキー操作全般の上達を目指して下さい。そうすれば自ずと種目は良くなります。」という話があったと思います。まさにその通りだということも実感して分かりました。目的と状況(斜度、斜面状況、雪質などの状況)に対して、自分はどう滑りたいのか?ということを考えて丁寧に滑ることが大事だということです。今シーズンは例年よりも多い滑走日数でしたが、滑った本数は少ないシーズンだったかもしれません。それは練習量が少なかったのではなく、一本一本にアドバイス頂きながら、自分でも滑り出す前に「ここをどうやって滑る?」と考えてからじっくり滑ったからだと思います。このことは、これからも意識したいことです。

準指合格後も「もっと自分のスキーを伸ばしたい。コブも・・・」と5月末の月山まで滑りました。自分の知らないスキーの奥深さがまだまだあることも分かりました。今回の合格は通過点と考えて、さらに精進します。



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