ホーム > 行事レポート > 2001 > 海外フランス     5     10 11 12 13 14 15 16

シャモニー
エギュー・ド・ミディ ヴァレ・ブランシュ 

chamonix
AiguuilleDuMidi ValleeBlanche

エギュー・ド・ミディ(AIGUUILLE DU MIDI)

 シャモニー2日目、天気がよさそうなことから、エギュードミディに上る。標高3842mと驚異的。2台のロープウエイを乗りついて上がる。特に、2台目のロープウエイは途中に支柱も無いのに、エギュー・ド・ミディまで、一気に上がって行くのは壮観であるし、景色は素晴らしいし、ましては、その落差は凄く、ある意味恐怖体験でもあった。シャモニーの町は雲の下となり、山々と雲海が神秘的な景色を見せている。そして、いままさに上っているエギュー・ド・ミディへのルートは断崖絶壁であり、よくぞこんなところに、ロープウエイを作ったものと、関心する声がしきりであった。ロープウエイを降り、展望台からマッターホルンを始めとする明峰を見る。


ヴァレ・ブランシュ(VALLEE BLANCHE)

 ヴァレ・ブランシュ(白い谷)はエギュードミディからメールド・グラス(氷の海)という大氷河を20kmも滑走する、まさにオフピステのコースである。当然、クレパスとアイスフォールがいたるところにあり、ガイドの案内なしでは危険なコースである。(ガイドがあれば安全)

 我々は、3班に分かれて、それぞれガイドを御願いした。エギュー・ド・ミディのロープウエイの乗り場で、班分けを行い、それぞれのガイドから、ザイルを繋ぐセフティベルトを渡され、着用する。ヴァレブランシュへは、エギュー・ド・ミディから200mもありそうな雪庇(尾根のようである)つたいに降りる必要がある。ここでの滑落を防ぐためそれぞれハーネスを装着し、チーム毎にザイルで結束し、下に降りるのだ。

 たまたま私が先頭に立ち、いよいよ順次雪庇を下り始めた。両側には、ロープが張ってありが、その下は急斜面で下を見ると、落ちたら命はなさそうである。正直怖い。せっぴの道幅は、2メートルぐらいの幅があるのだが、ガイドのフィール(2班)は、左側を進めという。たまたまだと思うが、左側はアイスバーンとなっており、とても下り辛かったので、ガイドに柔らかそうな右側を進んでも良いかと確認したところ、左側を降りろとの指示だった。右側は追い越しようのコースらしい。右足はなんとかアイスバーンに踵から確保するが、左足は自然と、アイスバーンをさけて、左端のロープ下の柔らかい場所に足場を作るようになった。20メートルも下ったところで、この斜面ギリギリ左を確保していた左足が滑る。思わず声が出てしまったが。幸い左足の靴底が谷底の景色をみただけで終わった。
 パンフレットにあるように、下を向きながら降り始めたが、左が怖いと聞いていたし、急斜面なので身体が右向き加減になってしまう。この為、左足がいっそう滑りやすくなったようだ。それからはメンバーのアドバイスもあって、左横向きで小幅降りる。せっぴ通路の斜面は、急だったり段差があったり、パーティのメンバーも難儀しながら、少し降りては止まり、また降りるということで、20分もかかっただろうか。右側の追い越し通路?から来た人達の中には、途中でスノーボードや板を履いて、右側の斜面に飛び出していく。右側の斜面は、ヴァレ・ブランシュへのスタート地点であり、そのほうが楽にも思えたが、パーティはザイルで結ばれているし、歩いて降りるしかない。パーティの中には、何度も体験した方もいて、非常に落ち着いて降りているのを見ると、体験にまさる処方箋は無いようである。初めての方は、心して取り掛かることをお勧めします。
  ようやく 、ヴァレ・ブランシュスタート地点に到着。少し休んだ後、板をつけて滑り出す。オフピステなので、シュプールが深雪を求めてそこかしこに跡を残している。ガイドのフィルは、まだ誰も滑っていないコースにつれて行ってくれ、それぞれが深雪を楽しむことに。雪の深さはせいぜい膝あたりまでで、それぞれ楽しみながら滑ることができた。気がつくとガイドが両手を広げてガードする個所があり、なにかと思うとクレパスやセラック(アイスホール)がある。さすがに氷河滑走。ガイドの指示通りであれば安全だ。要所要所で見る景色は、すばらしい。、ヴァレ・ブランシュのツアーにこないと見えない景色、あまりの自然に感動する。氷河の青い氷塊を見てしまうと、日本のスキー場でアイスバーンを青氷といったりするが、あれは青氷ではないと断言してしまいたくなる。

 ただ、メンバーの中には、深雪になれない人もいて、足を取られたり、バランスを失って転倒してしまうこともあった。エギュー・ド・ミディのせっぴを降りたときから、いきなり険しいアルプスの大自然に放り込まれた感じで、恐れと恐怖もあったかもしれない。肉体的な疲れに、精神的なものが加わると疲れも増加する。

なれている人は30分から1時間で滑ってしまうコースも、我々のパーティは4〜5時間もかかってしまった。本当に御疲れ様です。別のパーティでは、疲労で動けなくなり、ヘリで降りた人もいたのです。フランスでは、オフピステでのヘリのレスキューは、国が対応してくれて、無料とのことでした。(乗ったほうがよいやら悪いやら…)

 氷河滑降の後半は、延々続く緩斜面であった。でもクレパスはそこかしこに口をあけている。ちょっとコースをハズすと危険なのはかわらない。ガイドに促されて後ろを振り返ると、グランドジョラスが見えていた。頂上は双璧となっており、その鞍部は、今回のエージェントをしてくれた神田康夫さん達の日本人チームが冬季登攀に成功した日本人ルートがあるそうである。

 氷河滑降の最後は緩やかな斜面が延々と続く。ときおり振り返りながら、景色をみる。少しずつ、グランドジョラスが見えてくるのだ。最後の斜面は、ちょっとクラストぎみでアイスバーンだった。標高が下がってくると、雪質が低下するようだ。

 ゴール地点は、モンタンベールという登山電車の駅となる。到着してホットする間もなく、直線距離で50メートル上のテレキャビン乗り場まで階段を上がる。昔は、モンタンベールの駅まで登らなければいけなかったのだが、最近はテレキャビンで運んでくれるのだ。でも、この登りが駄目押しのように疲れを加速する。でもモンタンベール駅からみたグランドジョラスは、とても素晴らしかった。全パーティが集合しビールで乾杯し食事となったが、本当に御疲れ様でした。モンタンベールから登山電車でシャモニーへ向かうが、シャモニーも町は雲海の下であった。


ホーム > 行事レポート > 2001 > 海外フランス     5     10 11 12 13 14 15 16