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準指導員検定会の海外からの受検者について
その取り組みや今後に向けての取り組み
亜熱帯地域・アジア地区からの受検者


教育本部理事 中村浩人


神奈川県スキー連盟での新たな取り組みとして、昨年度(平成26年度)より、アジア地区(主に台湾)からの、準指導員、認定スキー指導員資格(以下認定指導員)受検者の受け入れを行っています。
1月の平均気温14度、雪に縁のない亜熱帯地域の台湾ですが、近年、富裕層を中心にスノースポーツが流行の兆しを見せています。

何故亜熱帯地域の方々が、スキーをやられるのだろうか、と思う方は少なくないと思いますが、そこには様々な事情や理由があるようです。
ここ数年、東京をはじめとする日本の観光地は、アジアからの観光客で賑やかさを増していますが、北海道や東北・信州・北陸・上越のスキー場でも同じような現象が見られます。
原因の一つは、日本と台湾の間では航空会社の乗り入れが、オープンスカイ協定によって規制緩和されたこと【(空の自由化)中華航空機のチャーター便の増加】や円安の影響で旅行商品を企画しやすい環境が整ったことです。それによって比較的自由で安価に日本各地へ旅行者を連れてくることができるようになりました。そして、この環境に乗じて少数であったスキーヤーが、倍々に増加してきています。言うまでもありませんが、最も大きな要因はスノースポーツが楽しく素晴らしいものだからだと思います。


それでは、彼らが何故SAJの指導者資格、SAKの認定指導員を取得するのかですが。
台湾をはじめ、アジア地区ではスキーヤーは増えていますが、リーダーとなる指導者の絶対数が少ないようです。そしてSAJの様な、スキーメソッドもありません。
100年前に日本は、スキー先進国のオーストリアまたはフランスからスキー技術を取り入れて、現在の日本のスキー技術を確立しました。彼らもスキーの楽しさを知り、スキーを楽しむための技術を習得して普及活動を行おうとしています。
既にSAJ・SAKの指導者資格を取得し、スキーツアーに添乗員を兼ねたインストラクターとして活躍している合格者も数多くいます。台湾にもスキー連盟(協会)はありますが、技術のメソッドがないことから、SAJの資格がとても魅力的なものであることは彼らの取り組みから感じることができます。

話は戻りますが、昨年より行われている指導者資格検定は、準指導員はSAJカリキュラムに則り、国内の受検者と同日程で単位取得していただき、3月の車山高原スキー場にて実技検定を行っています。その都度日本へ足を運び、言葉の壁を越え、熱心に取り組まれています。認定スキー指導員は、国内がA、台湾アジアがBと言う形で実施し、認定指導員B検定会は、県連の北海道行事Aコース日程の中で、養成講習会、検定会を行っています。
平成26年度の受検者は、準指導員2名 認定指導員11名 27年度はスキーボード計16名となっています。彼らの多くは、年間20日〜150日と私たちの想像をはるかに超える滑走日数をこなしており、技術レベルもとても高いと感じています。

神奈川県スキー連盟としては、今後も台湾でのスキー人口が増加していくと予測しており、この取り組みを継続して海外からの指導者資格取得の門戸を開いていきたいと考えています。
ここ数年国内のスキー人口は、様々な社会的・経済的要因などにより大幅にその数を減らしてきています。海外からのスキーヤーを招くことによって、国内のスキー場が活性化し、更に日本のスノースポーツの普及に少しでも良い影響があればなおさらのことだと考えています。



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