ホー ム > 行事レポート2002 >指導員養成講習会2       7
平成14年度 指導員養成講習会理論2
平成13年11月11日(日)神奈川県民センター

田村専門委員  

◆スキー指導員とは(岩岳スキースクール資料より)
 スキー指導員がスキーが上手いのは当然のことであるが、ただスキーが上手いだけでは岩岳の教師は勤まらない。スキーが上手いと言う事は教師としての大前提であって、それにプラスされるものが多いほど、その教師の権威と貫禄が高まるものである。我々はピクニックの切り売りだけで終わってはならない。教師の技術、スキー理論、指導理論、指導方法はレッスンを楽しく有意義にするために大切なことは言うまでもないが、教師の人間性そのものがレッスンの根底になる。人間対人間と言うことを忘れるわけには行かない。岩岳スキースクールでは人間性、人格、知性、教養を教師の第一条件としている。こういうものを高くしろという資格は誰にもないが、お互いに少しでも高めるように努力だけはしたい。

◆お互い楽しめる環境を
 スキー教師になったら、スキー技術を自分の言葉や滑り表現で教えるのですが、それだけでなく、いろいろなコミュニケーションも必要です。町の中と違って大自然の中で人と人、自然と自分、そして楽しめる環境にお互いになるということが必要だと思います。

◆違いを理解する
 一つでもつかめるようなレッスンができれば良いと思います。みんさんこれから講習をされる立場になると思うのですが、人を教えると言うのはとっても難しいことで、男性女性の性別の違いもありますし、年齢の違い、当然性格の違い、色々の職業の方もいらっしゃいますので、同じ言葉で説明しても受ける側の解釈が違ってしまうことがあります。ですから10人に方がいらっしゃれば10人の方にわかっていただければ、本来一番良いと思うのですが、そう高望みせず、相性もありますので、なるべく判っていただきたいという誠意をもって接していただければ良いのではないかと思います。

◆学習者の3つの性格について(岩岳スキースクール資料より)
 学習者はそれぞれの性格によって好む練習方法に相違がある。同じ事が指導者に言える。したがって指導者の性格によって、あまりにも一方に偏った指導法がとられると、逆の性格の学習者はマイナスの動機付けとなり、指導の効果にも影響するので、学習者の性格を見抜き、それに応じた指導方法を考慮する必要がある。
1、神経質な傾向の強い性格
 こまやかな課題のひとつひとつが出来たと納得しないと次の課題に進みたがらない。神経質でないものは、およそ出来れば細部のことにこだわらず、次に進みたがる。

2、思考的内向性・外向性が強い性格
 思考的内向性の  実際に滑るまでに、どうしたらよいかを納得いくまで考えた上で練習に入ろうとする。結果についても、たとえどうにか出来ても満足しない。思考的外向性の強いものは、深く考えようとせずすぐに練習に取り掛かろうとする。結果についても、一応それらすく出来れば満足する。

3、社会的内向性
 社会的内向性の強いものは、他人の目を意識し人前ではうまくできないと言う意識が強く、秘密練習をしたいと考えている。したがってみんなが見ている前での一人一人のスタートは嫌がり、一斉スタートやトレーンなどを好む。

性格によって好まれる練習方法が違うと言うことです。あってすぐには見抜けませんので、一緒に滑ったり、移動中やリストなどで話をして、その方がどういう性格の方なのかが見えてくると思います。逆に、みなさんも、移動中やリフト、食事の時間などで先生をつかまえてアタックをすると言うのも一考かとおもいます。

◆指導の実際
 大体、初心者からの指導から始めると思いますが、初心者の場合は、一番大切なのは忍耐ということ、自分が焦らないということです。どうしてもじれったくなったり、イライラしがちになりますが、やはり初めての方ですし、自分に余裕を持って教えてあげると言うことです。用具の名前、スキー靴の履き方から入ると思いますが、用具のつけ方でも注意が必要で、たまにレンタルなどで左右が逆とかありますので、その辺からも気遣いが必要です。スキー靴の中にズボンを入れていることもありますが、小さなことに気を使うことが大切です。

◆修学旅行体験
 あまり経験はないと思いますが、修学旅行の団体、とっても大変で、通常レッスンの3倍くらい体力、気力が必要です。何十班とあって、大体の学校が同じレンタルウエア、靴、スキー板などで、みんな同じです。凄く大きな子もいて、板がかわいそうなんて思うのですが、大体そういう子は自分では起きれません。なぜだかは判りませんが、自分で起きると言う動作が苦手で、その子を起こすと言うのも大切になります。でも、その子にばかり時間をかけてしまうと他の子が退屈します。本人も凄く体力を消耗して、それだけでスキーが楽しくないということになってしまいますので、努力後はフォロー、嫌にならないよう、楽しいレッスンをしてください。

◆はっきりとわかりやすい言葉で指導を
 何人もの前で説明をしますので、全体に聞こえるように、はっきりとわかりやすい言葉で説明すると言うことです。説明は簡単な言葉で短く端的な表現をすることです。たまにどうしても出てしまうのですが、擬音的なことで、そこでグーと踏んでパッと立ってさーとが、全然伝わらないです。自分は言いたいけど、言われたほうは何だろうということです。あまり擬音で表現はしないでください。あと、感覚的なことも表現しないほうがよく、簡単な言葉が一番良いと思います。

◆トレーンでの注意
 だんだん平地のレッスンから転び方止まり方、登り方、そして滑ることのレッスンに入っていきます。滑るレッスンでは、トレーンが使われます。一番につく方が決まってきたりします。一番前は滑りやすいですし、先生のすぐ後ろですし、動きも明確に判りますので、先頭を変えるということも必要です。遠慮がちの人は後ろに回ったりしますので、逆にしたりと良いかと思います。

◆ゲレンデの注意点
 ゲレンデの立ち方ですが、基本的にはゲレンデの端になります。風が強いときには、風上に生徒をさんを立たせることが必要です。リストが動いているときは、リフトが気になりますので、リフト側を背にしてたたせることも効果的です。

◆初心者のときの気持ちを理解する
 少し前までは、ボードの方がゲレンデも真中で座っていましたが、最近はマナーも良くなり、技術も向上したのでしょうか、減ってきましたが、ボードとスキーの感覚が結構違います。やってみますと、行きたいけどいけないなど、初心者の気持ちが理解できるかと思います。

◆スノースポーツにいろいろチャレンジしよう
 スキーと言ってもクロスカントリー、スノーシュー、山岳スキーなども盛んになってきていますが、いろんな冬山のスポーツにチャレンジされていくというのも、素晴らしい体験だと思いますので、時間があればトライしてください。

◆子供のレッスンを体験して
 最近、岩岳で子供のレッスン、4歳から6歳くらいのレッスンをやっていますが、4歳以下は集中力の問題でレッスンとしては難しいなと思っています。子供のレッスンは、まず安全です。その中で、厭きさせず、楽しく、まず雪になじませることが大切です。安全性からは、ポールを立ててエリアを確保して、その中では登ることが大変なので人口芝を用意してあります。とても効果的です。同じことを繰り返すと厭きるので、ソリあそびに切り替えたり、鬼ごっこをして雪に慣れさせてからスキーをつけると上達が早いです。あとは、ちょっとでもオーバーに誉めてあげることが必要です。たまに、ちょっと怖いことをやると言うことを聞くようになるので、これもポイントです。


ホー ム > 行事レポート2002 >指導員養成講習会2       7