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中澤専門委員

◆安全編

98年12月に安全編が発刊されています。オフィシャルブック30P

スポーツの楽しみ方が多様化しています。特にスノーボード、カービングスキーの出現で怪我が増大しています。特に、南関ブロック(東京、千葉、神奈川)のみなさんは雪なし県であり、雪を求めて遠くに出かけていかなければなりません。怪我をしても、スキー場の近くで応急手当をしてそれから帰ってくる、その搬送はどうしたらいいのかと言う問題も起きて来ます。

全国スキー安全対策協議会とSAJで先シーズンの傷害の報告がでています。2月1日から29日までの1月間、全国の47のスキー場の統計です。この1ヶ月間の間に傷害が5580件。全国の大中小のスキー場をあわせると600からあると言われています。12月から4月までで計算しますと、数万件の傷害事故が起きていることになります。その中で、スキーが45%、ボード55%という結果です。ボーだ人口は140〜150万人といわれており、スキーは1300万人か1400万人ですから、いかにボードの事故が多いかわかります。また、スキーにおいてはカービングの事故が増えています。したがって、スキーの死亡件数は10件、ボードの件数が12件、ソリ1件で、昨年は23名のかたが亡くなっています。

傷害事故の内容ですが、ソリで亡くなったかたは幼い少女なのですが、スノーボードのエッジで首を切ってしまい、亡くなりました。首の事故が何件かあります。あと、長野県の八方尾根スキー場で、1人で滑っていて、進入禁止のロープがはってあったけど、停止できずに、ゲレンデ外に落下してしまい亡くなったというケースがあります。ここ数年、事故転倒で頭を打って脳挫傷というケースも多いです。私の友人で50才、競技でもかなり滑れる人でしたが、月山神社におまいりして、その帰りにアイスバーンで転倒、その先に岩がでていて、頭と胸を強打して、4日間意識不明のまま亡くなりました。とても身近で起きた事故です。自分の技術を過信して転倒することもあります。是非、注意してください。

切り傷の内容ですが、手とか足とかを切って、たらたら血が流れても命取りにはならないそうです。一番危ないのは首です。脳内出血も怖いです。その時はなんともないのですが、家に帰ってから意識不明になる。症状としては、手先や唇のびれとかあるそうです。そういうときは脳外科の病院に行ってください。救急病院に行っても、専門が違う医者ではあまり好ましくありません。骨折捻挫脱臼は整形外科、外科などです。

傷害事故の場合、まず直接圧迫で血を止めることが必要。心臓より上に患部を上げてください。スキー場の雪でははあんまり汚れることはないようです。たまたま泥のあるところでは水道水できれいに流すことが、感染予防から必要です。事故直後、出血があったらとめることです。次に多いのは、骨折、捻挫、脱臼。痛みがある場合は骨折と思って添え木をして固定し、患部を上に上げてください。痛みがやわらぎます。安静してください。

靴は、脱がすことでさらに悪化することがありますので、地元の診療所、パトロールなどに相談してください。

年寄りの方が亡くなっているケースがあります。64才の方、スキー滑走中に突然倒れた。病院に運んだが心不全だった。滑走中に突然倒れることがあります。心臓マッサージして今の状態より悪くならないようにすることが大切です。

指導中の事故が多くなってきています。指導員が訴訟をされるケースもあります。指導者は安全について言葉でしっかり指導していただかなければいけません。滑る前の準備体操、練習中は自己責任ですべるということ、用具の調整なども本人にやらせるようにしてください。あと、事故が起きた場合はそのまま立ち去らない。ひき逃げ事件になります。よく注意していただきたいと思います。

どうかみなさん、安全編を読んでいただき、事故への対応を出来るようにしていただきたいと思います。みなさん、事故が無く、楽しいスキーが気出るよう御願いいたします。


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