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◆堀SAK専門委員 詳細内容

■堀SAK専門委員「その他の必要な知識」

 強化委員会の堀と申します。メンバーは5名で、主にSAK技術選に出る県の選手の強化をやったり、1月の五竜の基礎強化合宿もみなさんに上達していただきたいと運営しています。

◆カービングでも方向、時間、量の調節が必要

 スキーが回って行く上で、荷重、角付、回旋はみなさん良くご存知だとおもうのですが、その途中に、作業する力の方向、時間、量を調節するとカッコの中に書かれています。これは、力の方向ですが、私が思うには、自分で大回りをやっているときに、どこの方向に行きたいのかと考えるときに決まってくると思います。漠然と滑ってこないことです。特に検定ではコースが狭いので、それによって、圧力をかける時間や量の調整が必要です。ただ、カービングの板に乗っているだけでなく、量だとか時間のプロセスでターン弧がかわってくると思います。気をつけてください。

◆回り過ぎないように気をつける

 次ですが、回り過ぎないように気をつけなければならないと書かれています。外スキーにしっかり乗っていけば、板の性能が上がっていますので、前の感覚よりずいぶんと深くターンができます。これを途中で調節してあげなければ、落差の取ったターンはなかなか出来ないことになります。特に、外向傾の強い方に見たれるのですが、あまりに強くて、板が変に重心線に入ってきてしまい、その結果食いつきすぎてしまい、その次に来る操作が跳ねられてしまうような操作をしている方も居ます。これは、回り過ぎないようにと考えた場合、後半作って行った角付けを多少緩めてあげるようか感じで入っていけば、減速せずにスムーズに切り替えに入れる、こういうテクニックも練習しておけば良いのではないかと思います。神奈川の予選のなかで、大回りのコースにマーカーを設置したんですが、下に落とされたくないからといって、頑張ってずれないように一生懸命になっているのですが、状態だけは外側に行って、パンとはねられる人が凄く多くいました。そういうときは、少しだけ角付けを緩めてあげると上手く行くと思います。

◆ひねり操作はターンの中で必要だと感じている

 カービングスキーになってから、この特性を利用するので、回す操作がほとんど不用になっているとありますが、私はちょっとどうかなと思っています。回す操作=ひねりだと思うのですが、ひねりはターンの中で必要だと思うのです。ただ単に膝を倒すとか、腰を内側にスライドさせるとか、又は内倒を作って角付けを立てて、それで弧を描くと言う部分が確かにあるのですが、それプラスひねりをつかってあげればもっと楽に板が回っていくと思うのです。やはり、回旋部分を使ってあげると自由な弧が描けるんじゃないかと思います。

◆スキー板、幅や、柔らかさ、長さ、Rについて

 カービングスキーの先端の幅で60何ミリと、以前より太くなっています。結局早めにエッジを捉えていきたいときトップ幅は必要になります。ただ、センターを絞り過ぎちゃうとRが凄く小さくなりすぎて、将来的な規制のなかで上手く収まらないと言うことで、今はセンターを少し幅広にしています。今センターは、60ミリ以下は反則になっています。

 どういう板を選んだほうが良いかは、ノーマルスキーでも迷った部分はあると思うのですが、柔らかいからレース仕様でない、初心者用だ、と言うことはありません。今、柔らかくても上級者の板も押してみるとわかりますが、たわむ板が出ています。一概には言えませんが、ある程度柔らかいほうが、きれいな弧が描きやすい気がしています。個人的には、柔らかいほうをお勧めします。長さですが、たしかに短くなっています。10から15センチダウンしてはじめた方もいると思います。今さらに短くなってきました。身長といっしょか5センチ程度短いものを履いている指導者も多い。ワールドカップでもSLで160の板ですが、ただ、あんまり短くしてしまうと、前後のバランスがそう当悪くなります。体が後ろに遅れたとき、リカバリーしにくくなります。緩斜面では問題ありませんが、急斜面の長いロングターンで、多少体を後ろにも邸かれたときにリカバリーしにくいと覚えてください。また、不整地の小回りなどでは、短いからやりやすいという考えもありますが、逆に言えば、短いと全部の溝にはまって行くわけです。それだけ回転を一杯しなければならないだけ、失敗する確率も高くなります。今年の八方の技術線で、神奈川の男子の選手が160の板で滑ったが、とてもバランスが悪く、長い板に戻したら、以前の良い滑りに戻ったということもあります。一概に短くしすぎるのもどうかとは思います。短くても頑張って滑れれば良いのですが…。R18ぐらいがオールランドで良いということですが、今年はR16ぐらいになっているようです。

◆ブーツの構造、選び方

 自分の体とスキー板とのジョイントとして部分、一番力を伝えるための道具としては重要なマテリアルだと思うのですが、構造もいろいろあります。ツーピースは、ロアシェル側とアッパーシェル側がリベットでジョイントされているのですが、ラングがルーピースで有名です。ロアシェルが固定されているので、アッパーシェルがねじれが出来ます。要は、ひねりが使いやすい、回旋させやすいのです。SL系、小回系はやりやすいのではと感じます。ノーマルスキーのひねりが重要ですので、ラングなど良く使われていました。スリーピース構造は、たぶんライケルだとかだと思うのですが、特徴としては前傾角度が作りやすく、衝撃を吸収しやすいということで、ダウンヒルの選手がつかったようです。モノブロック構造、ロアシェルの立ち上がりが比較的高く、そこでアッパーシェルをまきこんで深さが出ます。ですからパワーがあります。一瞬にして強い力が出せるということです。ひねりが使いにくい分だけ、横に倒して使う感じだと思います。

 選び方ですが、なるべく隙間が無くて力が伝わるものが一番です。わたしの考えではとりあえず、足の寸法に合わせて選んでほしいです。幅が痛いだとか甲が窮屈だから、1サイズ上げましょうというのだけは、やめてほしい。足の寸法に合わせてブーツのサイズを選んで、あたる場所は直しましょうと考えるほうが一番あったブーツができると思うのです。大き目の靴は楽かもしれませんが、指導員を受ける方は、隙間の少ない靴を選んだほうが、上達が早いと思います。基本的には、踵が浮かない、足首がしっかり固定されるものが良いと思います。

◆スキーワックス

 一般に、競技をやっている人達に比べて我々基礎スキーヤはあまりにも板をいじらないですね。ワックスもジュと塗るタイプのものが多いようです。それでも良いほうです。もう少し、板に手をかけてあげてください。ただし、気をつけたほうが良いのは、検定前にいきなりやるのは良くないと思います。特に、車山のような人工雪のところでは、エッジが引っかかりやすいので、もう少し手前から仕上げておいて、それから微調節するのが良いと思います。簡易ワックスは否定はしませんが、もうしこし何とかしたいですね。

◆196P真中

 遠心力ですが、いきなりスタートから体を倒す人がいますが、ある程度スピードがでるまでは遠心力もないので、そんな必要はありません。承知しておいてください。

◆年表

 最近、年表出ていないようですので、今回は出しましょう。オリンピック行われた年とか、第1回シャモニー、1956年猪谷千春さんスラロームで2位。インタースキー、オリンピックは出る可能性があると思って目を通してください。

◆北海道新聞のコラムを読み上げて

 出口沖彦さんは、われわれの仲間でした。神奈川では御世話になった方も多いと思います。指導者として、それぞれの個性を伸ばすタイプでした。すごく残念で、動揺しました。指導員として位として受けるのではなくて、自分はどうしようか、何が出来るのかを考えてほしいと思います。やはり、スキー人口を増やすためにも頑張ってほしいです。やはり、皆にしたわれる指導者になってほしいと思います。


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