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「SAK・SAC スノーパラダイスin北海道」
級別テスト・プライズテスト
大井智子 広報委員レポート

写真:検定開始直前 いよいよ緊張の級別テストが始まります
写真:さぁ、検定が開始 検定員も真剣です

●検定会(級別、クラウン・テクニカル)

 12月13日(土)10時30分。朝里川温泉スキー場のレッドコースで、県民スキーの1、2級の級別テストが始まった。まずは整地パラレルターンの大まわりと中まわり。去年は、三浦亜矢子広報委員が前走を務めた。今年は1級保持者の女性2人が前走を務めながら、受検生にいろいろと声をかけている。


ファイトーッ

前走の大嶋さん、道地さん、片常務

「ういういしい級別テスト」

 スタート係を務める木村徳善理事(通称:キムトク)の合図で、しゅくしゅくと検定会は進む。あまりの静けさに、たまらずキムトクが、「みんな、元気出してね。声掛け合ってやろーよ」とやさしく受検生に呼びかけた。それをきっかけに、知らない人同士の受検生の間で、「がんばって!」「ファイトーッ」といった温かな声援が始まった。ニセコでいっしょに滑った山内さんの姿も見える。「ガンバッ」と私も声をかけ、後ろ姿を見送った。なかなかうまいではないかと、うれしくなる。

 それからゴールに降りていき、片忠夫主任検定員と上村久・長久保巌・吉野大成検定員の隙間から受検者の滑りを写真に撮るという、ありがちだけど、いかしたカットに挑んだ。ゴールで見ていると、検定員を通りすぎてゴールする人、ぴったり止まろうとして検定員を脅かす人、手前で止まってていねいにおじぎする人など、いろいろだ。

 耳を澄ませていると、さっきゴールしたばかりの人が「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと考えていて、結局あれもこれもできなかった」と嘆く声が聞こえてきた。わかります。そんなものですよね。かと思うと、ゴール後に「ありがとうございました」と検定員にあいさつする受検生を見て、「しまった!先生のとこ全然行かなかった。やばーい」と青くなっている受検生もいた。なんだかとってもういういしい。

 この日の1級受検者は24人、2級受検者は12人。井駒利一監事による講習を通して行われた3級受検には、2人が挑戦した。

めざせテクニカル

さすがに速い!

「速い!! クラウン・テクニカル検定」

 残りの種目の撮影を中里広報委員長に任せ、ゲレンデを移動する。イエローAコースの上に出ると、クラウン・テクニカル検定に遭遇した。ひしひしと緊張感が伝わるが、それでも受検生の間には時おり明るい笑い声がわきおこる。百海延専門委員率いる研修会・クリニック班がスタート地点のすぐ下に陣取り、「がんばあっ」と派手な声援を飛ばしている。その中を、圧倒的なスピードで受検生が駆け抜けていく。速い!!さすが、クラウン・テクニカル検定だ。

 加賀義人・稲田竜平・森本珠水検定員の指示のもと、一行は大きくゲレンデを移動する。いよいよ泣く子も黙る、不整地大まわりと小まわりだ。実は私も、かつて戸隠の中社スキー場でテクニカルプライズテストを受けたことがある。無残に散ったが、あのときの不整地は単にぐしゃぐしゃしている春の雪だった。だが、一行が到達したパープルコースは、比較的しまった雪がでこぼこを構成し、さらにくぼみ部分にはブッシュが出たり出なかったりという、ちょっと過酷な状況であった。

 そんなことは織り込みずみなのか、やはり受検生の一団からは時おり明るい笑い声が響いてくる。適度なリラックスと緊張感を保っているのだろう。たぶんテク・クラ受検者には、練習に裏づけされた自信と、多少のことは笑い飛ばすタフな精神力が必要なのだ。「じゃましないようにしなきゃ」と私も緊張しながら、せこい小まわりでゴール地点に到達。再び合流した中里キャプテンと、彼らの果敢な滑りをカメラとビデオに収め続けた。

がんばれ!
北海道の検定バーンはいかが

 圧巻なのは、最初に滑り降りてくる専門委員たちのシャープな滑りだ。それから競技が始まると、クラウン受検者がハイスピードで斜面を攻める。すごい。次のテクニカル受検者となると、演技にいくらかバラツキが出てくる。コースを大きく外れてレンズの視界から消えてしまった人、バランスを大きく崩しながらもなんとか耐え抜いた人など、バラエティーに富んでいた。   

 こんな斜面を大まわりで降りてくる練習は、普通のスキー場ではなかなか実践できないだろうなあと思う。なにせ人をよけなきゃならない。私なら、びびってゼッタイ小まわりでしか降りてこないね……などと想像していると、最後にひゅいーんと、カメラをぶら下げながら斜面を大まわりで攻めてくるスキーヤーがいる。勇気あるなあ、と見ているとなんと阿部さんではないか。彼はスピードに乗った滑りを無事フィニッシュしてから、「まだまだ俺の方がうまいさあ。かかか」と豪快に笑った。


講評する片主任検定員

すごいぞ15歳で1級合格

「15歳のトップ合格」

 検定会開始からわずか5時間後、閉会式の最後に検定結果が報告された。

 まずは片常務理事から、「昨年、北海道行事で級別テストを初めて行い、今年はクラウン・テクニカルプライズテストを導入しました。厳しくジャッジし、SAKのレベルを上げたいと考え、最強のスタッフで臨みました」とのごあいさつ。

 続けて上村専門委員から、合格発表が行われた。3級は受検した 2 人とも合格した。2級は12人中7人合格。本間法敬さんが270点でトップ合格した。1級は24人中10人が合格した。360点でトップ合格した中野舞子さんは、なんと15歳の若さ。壇上ではにかみながら合格証を受け取ると、会場から温かい拍手がわき起こり、小さな勝者はぴかぴか輝いた笑顔を見せていた。

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1級 中野さんの滑り
2級 本間さんの滑り
3級合格おめでとうございます

2級合格おめでとうございます

<合格者>

○3級(2人受検→2人合格)

大谷美智子 180点
武田啓子  185点

○2級(12人受検→7人合格)

高橋進一郎 267点
三井勇太郎 261点
黒岩美昭  260点
荻原富夫  263点
南野潔   260点
本間法敬  270点
山口浩   267点

1級合格おめでとうございます
プライズテスト講評中の森本検定員

○1級(24人受検→10人合格)

中野舞子  360点
河合一寛  357点
中村美音子 351点
鳥越厚子  352点
山内優子  354点
山梨仁隆  350点
出口博   350点
柳佐映子  350点
有吉忠一  350点
松島光子  350点

○ クラウン(2人受検→0人合格)

○テクニカル(20人受検→3人合格)

及川晋   450点
沖村芳仁  450点
樋口健司  450点

 

テクニカル合格おめでとう

テクニカル合格おめでとう

「王様になるのはやはり厳しい」 

 次に、クラウン・テクニカル検定会の講評が3人の検定員から行われた。まず森本専門委員が、「今回は甘くつけましたので、合格者がいます。検定バーンは3人の検定員で話し合い、最善のコースを取りました。いろいろな状況はあったと思いますが、みなさんがいいシーズンを迎えることができるように検定しました」「1級に合格した方はぜひすぐにテクニカルプライズテストを受検してほしい。足りない技術はSAKの講習を受けて補強してください」と口火を切り、さらに「もう少し、トップコントロールを見せてほしかった」(加賀専門委員)、「内足、内腰を意識するあまり、外足のとらえが甘くなっているのが目立ちました。もっと外足が起動するよう心がけてください」(稲田専門委員)といった注文がつけ加えられた。

 加賀専門委員から発表された検定結果は、「クラウンは2人中0人。テクニカルは20人中3人合格」という、なかなか厳しいものだった。やはりクラウンはスキーの王様。そうたやすくは、手に入らないということなのだろう。それだけすごい資格なのだ。わたしはテクニカルへのたった一度の挑戦でへこたれてしまったが、今回合格を逃したみなさんはこれに負けず、いつかぜひ王冠をその手にしてほしい。そして、合格者のみなさん、おめでとうございました。

テクニカル合格おめでとう
大井広報委員と中里広報委員長
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